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異世界サバイバル ~チートって何?美味しいの?~  作者: ハニービー
異世界で新たな冒険と共に
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 火が治まり、ブスブスと燻る虫達の残骸を可能な限り避けながら、とりあえず出口に向います。

 もう、この匂い無理、耐えられません。

 軽油の黒煙と虫の焼けた匂い・・・吐きそうです。

 実際、外に出た時耐えきれず戻してしまいました。


 頭痛と嘔吐感で剥ぎ取りもできず、今日は大人しく仮拠点の樹上テントで休みます。服や髪の毛に染み込んだ匂いでまたも吐き気が・・・うっぷ!



 翌日、何とか体調も戻り、拠点に集積していた軽油風船を補充して再度チャレンジです。

 軽油の劣化は確か半年くらいからの筈です。ですが、それはきちんとした管理下での話。あのバスの状況では、結露による水分の混入は防げないでしょうから、使えなくなる前に惜しまずさっさと使ってしまいましょう。

 昨日の戦いで、初見殺しのバックアタックと虫津波も、軽油風船作戦が有効だと判明したので、今日は多少気が楽です。

 

 まずは昨日の親蜘蛛がどうなったか確認しましょう。

 ダンジョンの中はまだ煙の匂いに塗れていて、記憶がフラッシュバックされて再び吐き気が込み上げて来ますが、昨日程ではなく我慢できる範囲です。

 

 バックアタックを警戒しながら進みますが、煙で逃げ散ったのか、エンカウントは有りません。

 空洞の中央付近、親蜘蛛はその姿をほぼ消して、先生スライムたちのご馳走になっていました。

 見慣れた先生たちの姿に少し安心してかき分けるようにして進むと、食べ残された部位がいくつか発見できました。


 たかっている先生をよっこいしょと両手で掴んでどかし、バランスボール大の灰色の球形の物体を蜘蛛の外皮から転がして取り出します。

 凄く軽いです!両手で軽々と持ち上がります!

 場所的には蜘蛛のお尻近くの筈です。

 よく見ると、極細の銀糸が糸玉のように固く巻かれており、試しに少し引き出してみると、まるでワイヤーのように丈夫で絹糸みたいにしなやかな半透明の細糸が出てきました。

 大きな糸玉が有った場所の近くにもう一つ同じ糸玉が有ります。

 

 確か、蜘蛛の糸はそれ一本で自重を支える強度があったはず、そして蜘蛛の糸は二本一組で吐き出されたはずです。親蜘蛛の重さは、軽い虫系とは言え少なくとも数百kgは有るでしょう。

 検証は必要ですが、二本束ねて使うと、ひょっとしたら1t近くの重量を支えられる糸になります。

 スライム樹脂に続くファンタジー(びっくり)素材ゲットです!


 なるほど、良い物を拾いました。これで布を織れば、スケスケのセクシー下着が・・・げふんげふん。

 いや、そうじゃなくて防御力の高い布が出来るでしょう!勿論ネイがこれを使って自らの下着を作っても構わないです!寝間着(ネグリジェ)とか大歓迎!て言うか本望!


 皮は嵩張るし、ボロボロですし持って帰る気が起きなかったので放置です。頭の近くにスイカのL玉程の大きさの水晶っぽい石が有ったので、これがおそらく魔石という奴でしょうか。とても重いです。

 小蜘蛛の魔石は小さすぎて回収しきれません。

 ゲジさんの魔石はパイン飴とそっくりなドーナツ型、二股ムカデはそれぞれの頭にヨーヨーのような円盤型の物が煤に塗れて落ちていたので回収です。炭化したモンスターは流石に先生も食べないみたいですね。

 このダンジョンのこの入口空洞を大蜘蛛広間グレゴリー・ホールと名付けます。




 

 とりあえず一回仮拠点に戻って荷物を下ろし、三回目のチャレンジですね。支道の洞窟は後回しで、先に岩棚の上に登って行こうと思います!


 因みにパイン飴って大阪で作ってるんですよ!


シンタローは無意識に自分が恐れる物等を、あえて親し気に呼ぶ傾向があるようです。

例)ゴブさん、デスペアパイセン

ゲジゲジはムカデより嫌いみたいですね。



スライムは例外のようです。

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