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異世界サバイバル ~チートって何?美味しいの?~  作者: ハニービー
異世界で新たな冒険と共に
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 いきなり奥の手を使わせるとは、ダンジョン侮り難し!自然洞窟とダンジョンの違いは判らないので、もうダンジョンて事で良いでしょう。

 狭い岩棚に入り、虫達が狭隘な通路に差し掛かったところで秘密兵器の投入です!


 ショッピングカートなら子供が座る部分、そこに作ったポケットに入れておいた大量のプニプニ球。

 デスペア戦で使用した軽油風船に括りつけた藁束に火を点け、後ろに放ります。常温なので、ドーンと激しく燃え盛りはしませんが、

 メラン!

 とは燃えてくれます。

 とにかく一回息を整えさせて欲しいです。

 バシャッ!と飛び散った軽油は思惑通りに燃え広がって、道を塞いでくれました。


 僕はひりつく喉の痛みに耐えて一旦足を止め、さらに軽油風船を投げます。今度はもっと遠く、虫達の退路を塞ぐようにです。

 もう一回投げます。次は虫達のど真ん中です。

 しかしダイゴロー号は二輪にしておいて良かった。グリップの真下に脚を付け、傾斜のある場所で手を放しても勝手に転がり進む事がありません。走って押してる時は何で僕は四輪にしなかったのか!と思っていましたが、やっぱり二輪で正解でした。小回りも利きますし。




 軽油の出す黒煙と虫の焼ける煙と匂いで物凄い事になってます。

 二股ムカデが炎に巻かれて盛大にのたくって暴れてますが、僕は軽油を追加投入です。文字通り火に油を注いで完全に焼き殺さないと安心出来ません。周囲の温度も上がっているので、爆発的に燃焼してくれます。

 凄い煙です。広い空洞の上半分に有毒な黒煙が充満して、隙間から差し込んでいた光も覆い隠してます。


 炎をかい潜ってこちらにやって来る半分焦げた大蜘蛛を、槍で突っついて炎に押し返したり、そのまま刺したりしながら僕も対処に必死。ゲジさんは足と触角みたいな毛が全部燃え、芋虫みたいになって転がりまくって悪夢のようです。

 二股ムカデは力尽き、黒焦げの丸太みたいに横たわっており、凄い臭気です!

 大蜘蛛はとにかくしつこく厄介!凄い跳躍力でピョンピョン跳んで来ます!

 跳んで来る大蜘蛛はバッティングセンターのボールのように槍で打ち返して炎に返却。

 視界は虫ファイアーと入口から差し込む光でぼんやり見えてますが、この煙は当たり前ですが僕にも厳しい!

 あまり意味は無いですが、ポケットのハンカチで顔の下半分を覆って、火が治まるまで我慢です。幸い天井は高く、炎の熱にも煙にもまかれる心配は無いようです。しかし物凄く臭い!


 その時、天井付近でくぐもった音がしました。重たくて柔らかい物が、何かに当たりながら落ちてくる音です。一緒に石の破片が落ちてくる、パラパラガラガラという音もします。

 それはすぐに地上に達し、槍のようにそそり立つ大きな石筍の一つに突き刺さりました。

 腹を上に向け岩に突き刺さったそれは、しばらく苦しそうにワサワサと足が蠢いていましたが、しだいに力なく垂れ下がっていき、完全に動かなくなりました。




 一つ訂正があります。

 僕が今までつついていた大蜘蛛は実は大蜘蛛ではなく、小蜘蛛でした・・・子蜘蛛かな?

 軽油の黒煙にまかれて苦しみもがいて落ちて来たのは、体長5mは有りそうな巨大蜘蛛だったのです。

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