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異世界サバイバル ~チートって何?美味しいの?~  作者: ハニービー
異世界はカレーの匂いと共に
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 とにかくずっとこうしている訳にもいきません。

 電話も通じない今、自分たちで何とかするしか無いのです。とにかくけが人を可能な限り速やかに医療施設に搬送しないといけません。それにはまず現状の把握です。今は午前九時前、事故が起こったのは八時過ぎのはず。出発から約一時間、バスターミナルから高速はすぐなので、ざっくり計算すると僕たちの街から西に約六、七十キロ進んだ計算になります。

 ぎりぎり隣の県に入ったかどうかのはず。確かにあの辺りは多少の山があります。とにかく一回バスを降りてみましょう。

 僕は早速昇降口に向かい、ドアを押してみます。ウンともスンとも言いません。ウンとかスンて何なんでしょうね。興味深いですが一旦置いときます。

「バスのドアは油圧式でござろう。足元に非常レバーが有るはずでござる」

 親切なお侍の学生さんが教えてくれます。あ、有りました、これですね。カバーを開けてレバーをひねります。すると、手で押すだけでドアが開きました。



「うわー・・・」

 もう、色んな意味でうわー・・・です。

 まずバスが大破してます。おっきな岩に乗り上げてその先のおっきな樹にぶつかっております。運転席の下はめちゃめちゃです。

 バスの後ろに回ってみますと、下草や苔に覆われたでこぼこした地面を、タイヤが深く抉った跡があります。タイヤの跡を辿ると何故か途中で消えてます。その先はこれまたおっきな樹があります。

 ちなみにおっきな樹は屋久杉よりもおっきいです。実物見た事ないけどそれぐらいおっきいです。

 まるで樹の幹の中からバスが飛び出したようなタイヤの跡です。

 空を見上げます。そこには高速道路の高架等なく、張り出した太い枝、綺麗な青空、五月の爽やかな太陽、二つの白い月が見えます。

 もうパニックです。

「こ、これは・・・」

 バスの中から続々と乗客が降りてきます。

「このイベントはもしや、木島うじ・・・」

「これはあれですな、田中うじ・・・」

「あれに違いあるまい、福田うじ・・・」

 三人のお侍学生さんから不穏な気配が漂ってきます。

「異世界転移!」

 三人一斉に嬉しそうに叫びます。

「んだとコラー!」

 何にも知らないお兄さんも叫びます。

 三人のお侍学生さんはそんなこと全く気にせずに興奮してまくし立てております。そりゃね、僕だってまさか、とは思っておりますよ。こういうシチュエーションの物語が有るのも知ってます。でも・・・

「田中うじ、女神のチュートリアルはあったでござるか?やっぱり幼女でござったか?拙者はまだ無いでござるよ」

「いやいや当方も未だチュートリアルイベントはまだでござるが、とりあえずあれをやっときますかな?」

「あれでござるな」

「フフフ、では皆の衆せーの」

 何でしょう?何をする気なのでしょう?



「ステータスオープン!!!」




 はい、勿論何もおきませんでした。




やっとちょっと進んだ・・・

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