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同居人が出来たからと言って、僕の仕事は変わりません。
拠点はほぼ完成しているのですが、相変わらず狩りと採集は必須事項です。
先日やっと、少女の名前が判明しました。ネイちゃんといいます。
「ネイちゃん」と僕が呼ぶと、必ず「ネイ」と訂正してくるので、今では「ネイ」と呼び捨てです。
もう鼻血が出て挙動不審になりそうです。この前なんか外に飛び出して、崖の上から「ネェェェェイーーーーーーー!」と叫びたくなる衝動を抑えるのが大変でした。
それは置いといて。
ほぼルーティンと化した午前中の狩りと採集、午後は崖城で、室内作業に没頭します。
白苺と巨大枝豆はテストの結果食べられる事が判明、特に白苺はアメリカ人でも顔をしかめそうなぐらいの甘さで、無茶苦茶美味しかったです。
あれから比較的近場の冒険深森でも発見し、大量に収穫しました。
枝豆のコットンは現在貯蔵段階で、ある程度貯まったらどうにかしようと思います。今の所は保留。
枝豆の中身も食べられますけど、とりあえず乾燥させて保管です。
白苺は食べきれない分は煮詰めてジャムにして保存ですね。ネイにもフレッシュを沢山食べさせます。
それに果汁だけ絞ってお酒も造りたい!
僕は会社でガレージワインや地ビールの小規模輸入をしていたので、商品の知識として醸造を軽くですが勉強してました。ぜひチャレンジしたいですね!
魚を獲って、肉を狩って、毛皮を剥いで、素材を収集して持ち帰って加工して保存してとやる事は山ほどあります。
午後は加工作業が主になります。
まずは僕のベッドと寝具の作成。そしてネイの服に靴、椅子や食器などを作りましょう。
こうしてみると、ホントに素材の不自由さに困ります。
なんせ鉄製品と布製品が圧倒的に足りません。
パンツが破れたらそれでおしまいなのです。フンドシすら用意出来ないんです。デニムとチノパンはとっくに破れて廃棄してますし・・・
コットンは有ってもそれをどう加工すれば糸になり、布になるか判りませんし、針が無ければ縫えません。
保存食やロウソクを精製するのもモンキーボアの鍋では小さいですから効率が悪く、作業に無駄な時間が掛かります。
とりあえず鉄、鉄じゃなくても金属製品欲しいです。お風呂、鍋、針、ノコギリ、剣だってゴブの剣はちょっと短いし、槍も鏃もちゃんとしたのが欲しいです。
しかし、仮に金属の原石や塊が有っても僕には加工する技術も知識も設備も無いです。
打開策のないままですが、とりあえず出来る作業は進めていきます。
合間にネイの包帯---バスのヘッドレストカバーで作成---を代えたり、スライム樹脂で作った指のギプスの具合を見たりします。
傷は化膿することも無く、順調に塞がっています。腕の大きな裂傷は可哀そうですけど跡が残ってしまうでしょう。残念ながら僕にはどうする事もできません・・・
これも課題ですね。ネイが回復したら薬草や生薬的な物が有るのか探しに行きたいですね。言葉は全く通じませんけど。
ついでにネイの足型を取り、部屋履きのサンダルとブーツのソールをこしらえます。
靴を作っても、ネイは足の裏にもひどい傷が有るのでまだ歩けません。
早く治るといいんですけどね。