表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界サバイバル ~チートって何?美味しいの?~  作者: ハニービー
異世界で新たな脅威と共に
50/190

46


 僕は走りながら肩越しに首尾を確認します。


 あと三歩・・・二歩・・・良し!グレイト!


 デスペアは見事に落ち葉の中に隠したロープにつまずき、前のめりに倒れます。


 GOAAAAAAAAAA!


 うわー・・・痛そう・・・

 デスペアが倒れた場所は一見するとふかふかの落ち葉の絨毯です。僕が初日にパンイチになったあそこですね。

 しかし、その落ち葉の中には30cm程の木製スパイクを、20cm間隔で5m四方にマスの目に並べてあるのです。我ながらえげつない針山地獄・・・

 デスペアの勢いと自重が仇となり、矢よりも深刻なダメージを負っています。

 

 右手と右頬は折れたスパイクが貫通しています。脇腹にも折れたスパイクが刺さっており、両腿にもダメージが有るようです。

 デスペアはスパイクをへし折りつつ立ち上がり、脇腹に刺さったそれを握りしめ、一気に引き抜きました。

 あーあ、それやっちゃ駄目なのに・・・

 あのスパイクには返しをつけてあるんです。僕って凶悪でしょ?


 GUAAAAAAAAA!


 うわー・・・腸がはみ出してる・・・


 でも、大部分のスパイクは強靭な肉体が防いだようです。恐ろしい耐久力ですね。

 むしろ、あの肉体にあれだけのダメージを負わせることが出来たのは奇跡的なのかも知れません。


 そしてホントに恐ろしいのはこれだけのダメージを負いながら、デスペアは尚力強い足取りで僕を追って来るという事です。

 

 ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。

 走る。走る。走る。振り返って走る。

 緩やかな斜面を下って藪を回り込みます。

 そしてパーカーを脱ぎ捨て、弓と矢筒も散らかして放り出し、木陰に隠れます。


 デスペアが藪を回って追いかけて来ました。

 僕を見失い、オレンジの派手なパーカーを見つけて近寄り・・・


 はい、ここでドーン!


 僕はナイフを抜き、ロープを切断。


 BOGUA!


 頭上注意です。

 筏状の台に重たい石を何個も乗っけた吊天井です。勿論筏の下にはスパイク付いてます。

 一気に重い物をぶら下げるのは不可能なので、一旦筏だけ持ち上げ、その上に石を限界まで積み上げた努力の結晶です。


 まだ立ちますか!どんだけですか!血まみれじゃないですか、右眼も潰れてます。早く楽になりましょ?


 また走ります。デスペアもかなり大変そうですが付いてきます。もう僕が歩くスピードと変わりません。

 いかんいかん、もっと逆上させないと!

 近場に隠していた投げ槍を投げて挑発を繰り返します。丸太でぶん殴ったりもしますが、ヒット&アウェイを厳守です。


 GORUAAAAAA!


 あ、やり過ぎたかも・・・

 デスペアの動きが激しく荒々しくなってきました。


 そろそろ暖まったかな?


さあ、次の地獄に案内しましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ