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僕がここに立って挑発します・・・デスペアは僕を見つけてこっちに来ます・・・あそこに倒木があって、こっちに岩が有るからあそこまで引き付けて僕がこっちに逃げればデスペアはこのルートを通るはず・・・
デスペアの身長は大体3m弱、体重は200kg位かな?・・・ここにロープを張ったらつまずいてこういう風に倒れます・・・胸の位置がここで頭の位置がここ?転んだ勢いにもよりますね・・・むしろ勢いを調節させるか・・・
僕がここに引き付けます・・・デスペアは僕を見つけて掴み上げます・・・あのルートで来ればこの位置か・・・
お、ここに良さげな窪みが有りますね・・・少し細工するとして・・・デスペアはここで暴れる・・・あれを見つける・・・だとしたらこの角度で・・・
ここに置いといたら使えるかな?・・・
あそこでこうなった所で僕が追い打ちを掛けます・・・・・・ここまででデスペアがどこまでダメージを負っているかですよねぇ・・・軽かったら罠を警戒する?重かったら逆上して追いかける?・・・
僕が崖っぷちに追い詰められます・・・必ずここら辺を通るけどちょっと位置が曖昧・・・だとしたらこれか・・・
さらに僕が逃げてこの袋小路に追い詰められます・・・行き止まり、僕は絶望の表情・・・デスペアがあの位置に来たらあれを発動・・・そしてフィニッシュ・・・・
そんなに上手く行くもんですかね?
走って逃げる僕とデスペアの足の速さですよねぇ・・・
一番最初の罠の成否が一番のポイントですね!
小雨の降る中エデンズグローブをうろつき倒して考えます。
集中しているせいか、それとも無我の境地なのか、巨大トンボが樹に雨宿りしているのを見つけたら、今まででは考えられないくらいの距離から矢を射て一発で頭に命中させて行きます。
無意識に近い行動なので、後で気付いて自分でもびっくりしました。
トンボの解体は先生たちにお願いしてさらに考えます。
あそこにはあの罠、構造がああだから、準備物はこれこれ。
次のはあれだから、うわ、思ってたより結構大変かも・・・
間に合わなかった時の事を考えて優先順位はこれからか・・・
時間が無いですねぇ・・・でもやるしかない!
罠を作り、セットするのは時間との戦いで、かなり神経をすり減らす毎日でした。
最初の罠で上手く致命傷を与えられれば良いのですが、念には念を入れての作業です。幾つかはちゃんと作動するか不安ですがこれ以上は時間が有りません。
特に雨が上がってからは半狂乱の涙目で作業を急ぎます。
川の水量が気になり、いつデスペアがやってくるかと戦々恐々の三日間でした。
ひょっとしたら僕の人生で一番濃い三日間かも知れません。
そして、ついに完成しました。楽園森林地獄巡り、たっぷりご馳走してあげましょう。
川の水量も減って来ています。デスペアなら渡れるでしょう。
僕は装備を整え、デスペアを呼びます。大声で・・・
「デスペアは~~~ん!早う来なはれや~~~~~っ!」
僕とあいつの戦いの火蓋が切って落とされました。