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道具が欲しいです。
異世界物ではミスリルの剣とかオリハルコンの槍とか定番で出てきますけど、僕が欲しいのは鉄のツルハシとシャベル(でっかい方ですよ)、ノミとかカンナも欲しいし、トンカチと釘、ノコギリも欲しい!
無い物ねだりしても仕方ないので作業に入りたいと思います。
実はあらかじめ用意しておいた水道橋の本体が有ります。15cm程の太さの丸太を石の楔で半分に割って、中身を雨樋のようにくり貫いた5m程の木です。もう半分も同様にしてあり、これを上で張り合わせれば立派な水道管です。念のため硬質スライム樹脂でコーティングもしてあります。
これ作るのに物凄く時間が掛かりました。木の真ん中に焼けた薪を置いて、焼きながら彫り進めたのですが、苦労した甲斐も有り自信作です。
橋脚となる丸太も引き上げ、スライム先生のお力をお借りして組み立てます。滝に突っ込む取水口は鹿威しのように受け口を作ってあるので、後はしっかりと支えてやるだけです。
四段目の滝側に支柱を立てる為地面に杭を打ち込み、先端近くをロープで結んだ二本の支柱をコンパスのように立てます。物凄く重いですけど、一旦五段目に上げてから、崖に立て掛けるようにして下ろしたので無理なく立てる事が出来ました。
続いてもう一組の最初のより少し短い支柱を立て、一個目と二個目の支柱に横木を渡して固定したところで時間切れ。辺りはもう真っ暗です。
ラビックの可食性テストをして、テントの前でロウソク作りの内職です。
やっぱり大っぴらに夜でも焚火が出来るのはいいですね!樹上生活の時はランプ以外の火は使えませんでしたからね。
翌日は朝から雨です・・・
そう言えば昨日は月が出てなかったな。
この世界に来てから初めての雨です。
激しい降りでは無いですけど、うろつく気にはなれないですね。でも昨日のお肉が心配ですし、降り止まないようだったら一回様子を見に行きましょう。
テントにも雨が入ってくるので、もったいないですけど狼の毛皮をかぶせて前後の出口を塞ぎます。少し寒いですし。
床は丸太を並べた上に合板を敷いてあるので大丈夫です。
ラビックのお肉は問題ないようですね。お腹が減ったので保存食を出して齧ります。雨で火が使えないのでそのまま齧るだけです。これもなんとかしたいです。雨対策も急務ですね。
そうだ、今度は巨大トンボの革にスライムコーテイングしたレインポンチョを作りましょう。雨具は必要ですよね、すっかり失念してました。
考えたく無いですけど、元の世界に帰れないという前提で冬支度も必要かも。毛皮のマントとかの用意もいるでしょう。
さすがに皮の正しいなめし方は知りません。試行錯誤した独自のやり方でなめしてます。
剥いだ皮の内側にスライム先生をコロコロ転がすだけです。一か所に集中させず、万遍なく転がすとすごく綺麗になります。
そのあとまた水洗いして汚れを綺麗に落としてから、風通しの良い所で陰干しです。
少し縮みますけど他のやり方を思いつかなかったので、今後要研究ですね。
それにしてもスライム先生マジ神です!