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ここからはこっちの世界のやり方です。
ぶちまけた内臓に寄って来るスライムパイセンを何匹か捕まえ、軟質スライム樹脂に加工します。この時、生卵の黄身に付いている白いウニョウニョみたいなのが浮き出ますが、これを綺麗に取り除くのが滑らかなスライム樹脂を作り出すコツです。
そして、こうゆう時の為に、硬質スライム樹脂で作ったボール---もう色と言い、お風呂場の洗面器にしか見えません---を常に持ち歩いています。
軟質スライム樹脂がいい感じにこね上がったら、部位別に分けた生肉にかけてコーティングします。
はい、真空パックの出来上がり!
使う時は樹脂を破ればいいだけです。
素晴らしい、スライムパイセン!アメージング、スライムパイセン!いや、今度から先生ってお呼びします!
これを、川に沿って作った別の生け簀に沈めて上から石や砂をかけて擬装します。
一週間くらいほったらかせばいい感じになっているはずです。楽しみですね。
でも一応少量のお肉は持ち帰ってしっかり焼き、可食性テストもします。今日は殆ど断食になりますが仕方ありません。何しろ前後8時間は他の物食べちゃだめですからね。
さて、予定時間をかなりオーバーしているので急いで拠点に帰りましょう。
水を汲んで、お魚を回収、捌いて担いで大荷物です。
何とかヒーコラ言いながらも帰り着き、順次荷物を引き上げます。
現在時間は午後三時、まずは何から作るか考えます。
実は昨日の計画では、
① 水汲みがアホほどしんどいので滝から水を引く水道を作る。
② 荷物を引き上げる滑車を設置する。
③ 整地するためのシャベルを作る。
(因みに関西人は大きい方をシャベル、小さい方をスコップと言います。)
④ おうちを作る縄張りをする。
⑤ 縄張りの内側を整地する。
これらは資材引き上げと並行して行う。
でした。
ですが、今日大量にお肉をゲットしたので、保存食作りの為の大型のスモーカーも作らなければなりません。
あ、ぬかりなく鱗は持って帰ってますよ。どうやら金属ではないようですが、軽くて硬い物質です。取り敢えず防具になると思うのですが後回しです。
冷凍技術なんて無いのですから、保存食にしないと無駄にしてしまいます。
ので、①と②の間にスモーカー作りを入れます。
まあ、そんなに慌てる事は無いんですけどね、塩漬けにするなら一週間も熟成させず、三日ほど寝かせてから改めて塩漬けにし、それから五日程また寝かせ、陰干してから半日かけてスモークしなければならないので、時間は充分有ります。
と、言うわけで水道橋を作ります。
まずは引いた水をどのように溜めるかですね、余分な水を捨てる排水工事も必要ですし、将来を見据えてお風呂、水洗トイレも視野に入れます。
で、あれば、地面にそのまま溜池やでっかい桶を設置するより、より高い位置にタンクは有った方が良いでしょう。
頑張ります!