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最初の岩棚は地上約10mくらいの場所に有ります。ここが一番の難関です。
この階段状の岩棚の五段目くらいが狙いの場所です。まあ、行ってみないと解らないですが・・・
ハーケンとカラビナが欲しい・・・
それでも何とか岩の隙間を見つけては木製の楔をゴブ斧の反対側で打ち込み、ロープを巻き付けながら少しづつ登ります。
オーバーハングが無いのが救いですが、これは想像よりはるかに疲れます。1m上るのに10分くらいかかります。
途中で休憩を入れながら、1時間近くかけて残りを登り切りました。
登り切った岩棚の上で安堵の為大の字にへたばり、しばらく息を整えます。
あと、目測8mと5mと7mと2mの岩棚を登れば目的地です。
一段目の岩棚は広さがタタミ三畳分くらいでしょうか、クランク型になり、崖側に松に似た木が三本生えています。
僕は腰に巻き付けていた、命綱とは別の二本のロープのうち一本を引っ張ります。
ロープの先には池屋さんのバッグが括りつけられており、中には軟質スライム樹脂でコーティングしたロープで作った縄梯子が入っています。ロープは芯に巨大トンボの革紐を使用しているので強度は万全ですよ。
縄梯子の先を松の木モドキにきつく結び、縄梯子の途中何か所かを崖に固定して重量を分散させれば第一段階終了です!
地上近くの5m分くらいはロープで引き上げられるように細工するのも忘れません。
もう一本のロープは最初に使った梯子に結んであります。これも引き上げ、二段目の崖に立て掛けます。
超怖いです・・・ちょっと風が吹くだけで梯子が揺れるような気がして、まだ岩にしがみついている方が安心できます。
二段目も登り切りました。慣れたのか登り易かったのか分かりませんが、二段目は僅か数分で登れました。こういう時こそ油断は禁物です。
二段目には都合の良い木が生えていなかったのですが、大きな岩があったので、それに二段目用縄梯子を固定します。
三段目は梯子だけで登れました。木が生えているので、一段目と同じように三段目用縄梯子を固定します。少し長さが足りませんでしたが問題ないくらいなので良かったです。
四段目は高さはそれ程では無かったのに手掛かりとなる岩の突起が少なく、上手く登れません。
そんなあなたに秘密道具です。いや、僕なんですけどね。
鉤縄です。モンキーボアの骨を組み合わせて作りました。
四段目にも木が生えているのですが、反対側に生えているので、位置を変えて梯子を掛け登ります。
三回目くらいのトライで上手く太い枝に引っ掛けられたので、あっさり登り切り、ここにも縄梯子をセット。ゆくゆくはきちんとした梯子にする予定です。
さあ、いよいよラストです!
最後の段は縄梯子を用意していません。一旦地上に戻って材料を池屋さんのバッグに詰め込みエッチラオッチラ一段づつ引き上げます。
四段目に到着したところで、大活躍した木の梯子を真半分に斧で折ってしまいます。
折った梯子を重ね合わせ、最後の2m程の崖に立て掛けます。角度と梯子段の位置を丁寧に合わせて紐で括り固定、さらに二重にした梯子段の間にあらかじめ用意しておいた丸太を半分にしたステップを一段一段において固定してやればどこからどう見ても立派な階段です。手摺は後の課題と言う事で。
崖、征服しました!