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あれから三日、僕は引き籠りです。
貴重な食料を食いつぶして三日も樹を下りていません。飲み水はスライム樹脂で作った柔らかいタンクに20リットルくらい確保してあるのでそれを飲んでます。因みにペットボトルの口を粘土で型取りしてちゃんとスクリューキャップも作ってます。
体中が痛い・・・
全身痣だらけで擦り傷塗れで汚れ放題です。服もボロボロです。
白い毛むくじゃら---猿猪と名付けます---に、フルボッコにされて死にそうになりながらもなんとかキャンプに辿り着き、昨日まで高熱にうなされてました。
モンキーボアよりも発熱に殺されそうでしたが、なんとか持ち直しました。
いやあ、それにしてもひどい目に遭いました。警戒を怠ったつもりは無かったのですが順調すぎてやはり油断が有ったのでしょう。あんなに目立つモンスターの接近に気が付かないとは・・・反省です。
とにかく体は痛いけど活動を再開させないと間違いなく死にます。
防具が欲しい、痛烈に思います。
家なんか作ってる場合じゃない!
武器は今のところ、ナイフに剣に斧に弓矢、木槍に杖と大体揃っています。使いこなせているかは置いといて。
対して防具はトンボのロンググローブのみです。このグローブも革こそ無事ですが、スライム樹脂の装甲がバキバキに噛み折られています。この程度で済んで御の字ですよ。
と言う事で、防具を本格的に考えたいと思います。今振り返るとよくあんな紙装甲で森をうろつけたもんだと思いますよホント。
具体的には、まず服の生地は巨大トンボの革をベースに、厚みを持たせて要所を補強する形を基本としたいと思います。
それでは痛い体に鞭打って活動開始!
とは言ったものの、まず食料と水の確保が一番優先です。
川原に行き、食料確保ルーティンをこなし、大急ぎで体と服を洗い、ふんどしを締め直します(比喩ですよ)。
まずは先日の事件現場に行き、巨大トンボアイテムを回収しましょう。
改めてモンキーボアの白骨を見ると、そんなに大きくないのが解ります。
きっと恐怖で大きく見えたんでしょうね。実際はツキノワグマくらいの大きさでした。突然現れて襲われた理由も解りました。
現場のすぐ近くに巣穴が有ったのです。今度からもっと慎重に行動せねば・・・
そしてさんざん人をどつき回してくれた頭部の鉄板は、ホントに鉄板なのは驚きでした。
生体鉄。
確か元の世界にも、硫化鉄の鱗を持つ貝が居たような・・・
まあ、そんな事はどうでもよろしい。大切なのはこれで念願のフライパン兼鍋が手に入った事です!
え?防具にしないのか?ですって?
これ、メチャメチャ重いんです・・・