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ゴブナイフでスライム組成の泥の塊を削り落とし、荷物をまとめてスタコラとキャンプに急ぎます。
冷や汗、脂汗とかき、朝から水分補給をしていないので喉がカラカラですね。一刻も早く川の水で喉を潤したいです。
ところで今更ですけどあの川の水って飲んでも大丈夫なんでしょうか。まあ、最初に飲んでもう二日経ってますからセーフってことで良いでしょう。良いですよね?
只今のお時間はお昼過ぎ、もう一回バスに戻って残った荷物を回収するのは無理があるでしょう。
今回回収した荷物は布類とブルーシートです。とにかく寝床の居住性アップを図らないと疲労が取れず、いずれ近いうちに消耗して動けなくなるのは間違いありません。
とりあえず集めた荷物を全部昨日の樹の上に持って上がりました。荷物の整理は後回しにして時間がもったいないので次の行動です。
陽が沈むのが六時だとして、活動できる時間はあと五時間弱しかありません。その間にしたい事、出来る事・・・
まず、ペットボトルや缶を洗ってペットボトルには目一杯水を汲みます。これで飲み水は都合2.6リットル確保できました。
弓に加工した木槍の代わりとなる木を一本と、もっと細くて真っすぐな木を沢山伐り出し、皮を剥いでキャンプにしている樹に立て掛け、乾燥させておきます。
この樹が恒久的なベースとなる訳では無いですが、何かに襲われそうになった時、速やかに逃げる為に梯子は有った方がいいですね。縄梯子とかが理想です。
ロープを作る為の蔦を集めて、出来れば食料の追加、ちょっとだけ周辺の探索、早めにキャンプに戻って寝床の改良・・・
生きていくって大変です。
蔦を集めながら川の反対側を少し探索してみました。
少し行くと、滝の崖の続きでしょうか、日当たりの良い側---あえて南とは言いません---に面した断崖絶壁に出ました。高さは目測100m程でしょうか、絶壁には所々木の生えた大きな岩棚があり、チョロチョロと小さな滝が流れております。
日当たり良好、風通し良し、天然の要害、おまけに水道付、拠点にするのに何というおあつらえの物件!
登れればのお話ですが・・・
いや、是非登れるようにして拠点にしたいです!
崖の下は小さな池になっており、そこからまたすぐ崖になって池の水が滝になっています。今度は身のすくむ見下ろしの崖です。
断崖を覗き込むと50mくらい下にまた地面が広がり、さらにその先は崖、遠くを見ると、広大な森が広がっております。
つまりここは階段状になっている地形で、僕がいるのはその結構上の方と言う事になります。そして、川からこっちの今いる森は思ったより広くない可能性が有ります。
上手く行けば僕の縄張りって事が可能かもしれません。希望が出てきました。
この調子で探索を続けて、行動範囲を広げていきましょう!