166
あれは何だ!?
鳥か?飛行機か?はたまた宇宙人か?それとも獅子座流星群か?!
いや、鳥なんですけどね・・・
シルエットがなんか変なんです。
ヒト?
の背中に翼が・・・ってヒトですやん!
目の覚めるようなサファイアブルーの翼も居れば、ビビッドなイタリアンレッドの翼も居ます。普通っぽい褐色の羽色も居れば、漆黒の翼のヒトも居ます。
まさに色とりどりです。
大きさは比較対象物が無いので何とも言えません。でも人間よりはちょっと小さい気がします。
最初はここの元住人が戻って来たのかとも思ったのですが、サイズ的に合いませんよね・・・
その十羽?十人?程の鳥人は遺跡都市の上空で二隊に別れ、綺麗なファイブカードフォーメーションを決めています。
一隊は恐ろしく統制の取れた編隊のままインメルマンターンを敢行、そのまま高度を取り旋回に入っています。
上空の一隊は俯瞰して援護、警戒、索敵でしょうか。
もう一隊は切れのあるバレルロールで進行方向右に位置を変更、そして急降下!
急降下した一隊はそのまま対地機銃掃射!
のように見えたのですが、実際には何を飛ばしているかはこの距離では見えません!
あ、あれか!
あの触手羅刹の背中に刺さっていた鳥の羽!
と、すると狙っているのはやっぱり触手羅刹でしょうか。
急降下をしていた隊の一人が、突然空中で大きく仰け反り、派手に羽を飛び散らせてフラフラと離隊していきます。
きっと触手羅刹の対空斥力ビームを喰らったのでしょう!
大丈夫かな?空中でまるで鉄板にでもぶつかったみたいに跳ね飛ばされましたからね。
あ、やっぱり落ちた・・・
頑張ってはいたようですが途中で力尽きたが如く、崩れた回廊が沈む湖に墜落して行きます!
仲間を救助に向かったのでしょう、上空で旋回していた隊から二人外れて湖に急降下!
しかし湖の水面が突如盛り上がり、巨大なサメかシャチのような魚がパックリと墜落さんを咥えてしまいました!
あれは助からない・・・
そのまま水中に沈んで行く巨大魚。
水面ギリギリまで追っていく救助班、しかし無情にも魚影は湖に消えて行ったようです・・・
怖い・・・
いくら水上を盾で滑る事が出来たとしても、あんなのが居るんじゃ無理です。危険過ぎますよね。
それより戦況です。
ここからでは鳥人たちが何を狙っているのかは見えません。ですが、触手羅刹で十中八九間違いないでしょう。
急降下部隊が再び高度を取っています。どうやら先刻のターゲットは仕留めたようですね。被害は一人。痛み分けと言ったところでしょうか、それとも手痛い一失なんでしょうか・・・
でも不思議です。
獲物を仕留めたはずなのに、鳥人たちはその獲物を放置して次の獲物の攻撃体勢に入っています。
捕食ではなく、まるで殲滅が目的のように・・・