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これに乗らないって選択肢はないですよね?
スノーボードでもスケートボードでもサーフボードでもない、強いて言うならエアボードでしょうか。
来ました!ついに来ましたよ!ファンタジーな乗り物!!
盾がスマホの如く超多機能になりましたが、一台で纏まったのは良い事ですよね!
逆に言うと、これ一つを失くすとエライ事になる訳ですからくれぐれも気を付けましょう。
このエアボード、問題が一つ有ります。
非っっっっっっ常に乗りこなすのが難しい!!
中央よりやや上、盾の横幅が一番広い所に魔晶石を設置したのですが、盾として使う分には丁度良い位置です。
当たり前ですよね。そう言う風になるようにしたんですから。
しかしこれに乗るとなると、物凄くバランスが悪いのです。
重心を移動させれば乗れない事はないです。30㎝くらい宙にも浮きます。
進みたい方向に重心を移せば、滑らかに進みます。
ですが、支点が一つというのは玉乗りをしているのと同じで、バランスがとても取りにくいのです。
しかもエッジがまるで効かないので進路変更も至難の業、スピードを出し過ぎると、空気抵抗の関係でさらにバランスが崩れます。
と、言う訳で改造です。
残りの並サイズの斥力魔晶石を盾の両サイド四点に設置し、安定装置とします。
ミスリルで、小さなバーニアのようにカップ状の容器に魔晶石を固定、斥力を若干ブーストさせながらも放出する力の方向を固定します。
見た目は多少悪くなりますが、周りにまた唐草装飾を施してごまかします。
ついでに盾の強化になるよう、バーニアの放射角度は大きめに取ります。絞り過ぎるとパワーは上がりますが、燃費が悪くなるのが判っていますので、ブーストとは言え、出力は抑えめに作ります。
注意点は魔力を流した時に盾が必ず水平に浮くようにする事。安定装置の角度は若干外向きに・・・
浅い水溜りに浮かべて水平を取り、更に盾の内側にもタプタプに水を入れて全体の水平を図ります。樹脂先生で仮止めしたりと苦心惨憺して何とかバランスをとり、完成しました!
この盾を、斥力風乗り板衝撃叩き盾と心の中で命名します!
口に出しては ”盾” と呼称します!
長いネタ的厨二的なネーミングをしてもロクな事が無いですからね。もう盾は盾でいいでしょう。
それでは試乗です。
うん、いいんじゃないですか?
両サイド二か所づつの安定装置がいい仕事してくれています。先刻とは比べ物にならないくらいエッジが効いていて方向転換もスムーズ。高度も少し上がり、多少の障害物は問題にもなりません。
かなりのフワフワ感は有りますが、サスペンションが効いていると考える事にします。
慣れたらトライアルのように、ある程度の高さなら垂直の壁とかも越えられるでしょう。
スピードも素晴らしいです。体感速度は40km/hは出ているでしょう。
これも慣れればもう少し出せると思いますが、盾の湾曲した構造上、速度を出し過ぎると空気抵抗がひどく恐ろしく不安定になります。
徐々に慣れていくしかないですね。
積載力も嬉しい限りです。鎧を纏った僕と大荷物、さらに大きな石を何個か積んでも、不思議と高度は変わりません。
ある程度の速度で移動を続けているなら、水上も走ります。が、止まると魔力を発していても沈みます。その時水中で物凄い乱流が起きますので、くれぐれも落水する事が無いように注意しましょう。
色々と謎ですね。でも僕にはまだ判らない理由が有るのでしょう。
解明していく楽しみが増えました。
しかし、素晴らしい斥力の魔晶石!
今後また手に入る事があれば、車やバイクなんかに加工したいですね!夢が広がります。
安全第一ですが、機会が有れば触手羅刹、積極的に狩りたいと思います!
楽しく滑っていて突然魔石の魔力が尽きたら怖いので、予備魔石ボックスもスイッチ一つで切り替えられるようにして万全の安心設計!
本来の盾として使う時には少し重くなりましたけど、元が軽めの盾なので問題無し!
転倒時に勝手に滑って行かないようにリーシュコード代わりの肩掛紐も強化しました。
もう探検は明日にして、今日はもうこれで遊ぼうっと!じゃなくて習熟しましょう!
今日の遅れはこの盾が解決してくれますからね!
ブクマ、評価、有難うございます!