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昔のゲームで、槍はリーチが有るから後列に配置していても攻撃が敵に届く。だから後列に置いて援護攻撃を・・・
という設定のゲームが有ったと思います。
超ナンセンス!
せっかくのリーチ殺して何してくれてるんですか!
槍持ちこそ最前列でしょ!!
昔から戦の活躍を ”槍働き” と言います。
最初に攻撃する事を ”一番槍” と言います。
武功のある武将を七本刀とは言いません。
”小豆坂七本槍、上田七本槍、賤ヶ岳七本槍” 等と言い、褒めそやします。
槍=リーチ!
長大な馬上槍を持つ無敵のミラノ騎兵軍団の突撃を破ったのは、敵より長い槍を持つスイス軍です。その槍の長さは5mから8mというから驚きです!
宮本武蔵が佐々木小次郎に勝ったのも、佐々木小次郎の剣 ”物干竿” より長い棒を持っていたから。
アメリカ軍がアフガニスタンで、従来のM16等の5.56㎜から大昔のM14の7.62㎜を引っ張り出してきて改修して使ったのも、遮蔽のない砂漠地帯では相手のカラシニコフの方が射程が長かったから。
マンガやアニメでナイフを逆手に持って構えるのを見ますが、嘘でしょう!?って今なら思います!
短いリーチを更に短くしてどうするんですか?
攻撃を受ける時には逆手に持っていた方がしっかりと受けやすい、って言いますけど、前提がそもそもおかしいでしょ?
あんな短いナイフとかで攻撃受け止めちゃダメですって!
相手の武器が細剣とかならまだなんとかなります。でも普通の剣ならまず無理です。
バット振り回してる人の攻撃を短い棒で受けられます?
それに、順手に持ってて受けきれない攻撃は、逆手に持ってても受けきれませんて。
握力は変わらないんですから!
どうしてこうも長々と、しかも熱くリーチに関して語っているかと言うと、勿論僕がリーチ最強説信奉者であるからなのですが、その他にも理由が有ります。
もう、いいように甚振られております。
まさかの30m超えの魔法!
僕がどんだけ頑張っても無理だった30mの壁!
あっさり超えてくれました。触手羅刹!
幸いにも即死級の威力までは有りません。この距離ならせいぜい体格のいいお兄さんに力一杯殴られる程度・・・
当たり所が悪ければ死にますって。
最初に貰ったのはボディブローでした。右脇腹に打ち下ろすかのような目に見えない斥力のビームをぶつけられ、瞬間息が詰まり、視界が遠のきました。
息が出来ないパニック!
咄嗟に盾を持つ左手で右脇を庇ったのが良かったです。続いての攻撃は偶然にも盾が防いでくれました。
ガンッ!
という物凄い音がして盾ごと吹っ飛ばされそうになり、ヨロヨロと二歩後退してしまいました。
不味いです。さっきの脇腹への強烈な一撃で横隔膜が痙攣して呼吸が出来ません・・・
更にもう一撃!
今度は前かがみになった姿勢の右肩に当たります。
これには耐えきれませんでした。
右肩から回転するように倒れ、仰向けに地面に転がります。強く背中を打ち、逆にそれが幸いして呼吸が再開しました。
今度は頭!
取れるかと思った!
ミスリルメッシュが入り、樹脂先生の緩衝材が入ったサファリハットをかぶっていなかったらどうなっていたか判りません・・・
続いて仰向けになった胸!
これは平気、今までのに比べたらですけど。ミスリルの装甲がしっかりと仕事してくれてます。
この ”凌げた攻撃” のお陰で僕は冷静さを取り戻しました。
とにかく起き上がって体勢を整えないと!
ゴロンと転がり俯せになり、盾を掲げて素早くその陰に入って膝立ちしました。
急いで敵を視認します。
触手羅刹は近づいて来てくれています・・・
僕の距離に。