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「ヒィィィイィィィィィィィイィィィィィィィ!!!ハァァァァァァァァァァッァァァァァァ!!」
最っっっっ高っっっに気持ちいいっ!!
何で気付かなかったのでしょう?こんな簡単な事を!
いや、珍しくテンション上がっててすみません。
でも、ホントに気持ちいいんです!このスノーボードならぬ草ボード!
ネイと一時のお別れの名残を惜しみ、いざ旅立ちです。
順調にバスを経由し、ついでに鰭脚類人のご隠居様に挨拶しようと思って巨人洞窟に立ち寄りました。
生憎ご隠居様はお留守のようでしたので、そのまま留守番の方に挨拶してそそくさとお暇をしました。
悠久盆地の縁に立つと、ホントに距離感というか、遠近感というか、何かそんな感じの物が狂わされます。
例えて言うなら、良く晴れた日の富士山頂から下界を見下ろした感じでしょうか。富士山登った事無いけど・・・
雄大過ぎて終わりが見えなくなる錯覚に陥ります。
地面は枯れた草が一面を覆っていますが、いたる所で緑の新芽が顔を出し、小さな花を咲かせています。
いずれ黄色い枯草を駆逐して緑の野が一面を征服するのでしょう。大自然の力強さに胸を打たれます。
風は少し有りますが、むしろ気持ち良いくらい。空はよく晴れ、草原の彼方の湖が良く見えます。薄い靄越しに白い街?も微かに視界に入ります。
うん、良い旅日和です。幸先良いですね!
悠久盆地は、巨人洞窟の正面から見ると、左手に急峻な崖が有ります。
崖の上は魔獣川の上流、その向こうは大樹林ですね。正面はどこまでも続く草の傾斜、その向こうに広大な草原、そして針葉樹らしき森、湖と有り、突き当りはオリュンポスもかくやという山岳です。
さらに左手の崖の方、方角で言うと北西の奥に続いているようで、ここからは見えません。
崖も呆れる程のスケールです。
右手は遥か遠くに急峻な山脈が連なり、その麓には針葉樹と広葉樹の原生林が傾斜に沿って続いています。
最初は火山の噴火で出来たカルデラかとも思ったのですが、まるでこの盆地は巨大な隕石が落ちて来たように抉れ、隆起したような形ですね。
南から鋭角に落ちて来た隕石が、地面に激突した後、北西に進路を変えながら突き進んだような印象です。ひょっとすると、本当にそうなのかもしれません。
それは置いておいて、さあ、記念すべき一歩です。
僕はこの遥かなる草原の傾斜地に足を踏み出しました。
最初はね、真面目に歩いてましたよ。
でもちょっと疲れて休憩を取った時、背中から降ろした盾が草の上を滑り落ちてしまって、慌てて拾いに走った時に気が付いたんです。
盾に乗って滑り下りたら速いんじゃないかな?
思い立ったら即行動!
肩掛紐をリーシュコード代わりに引っ掴んで、後は・・・
「ヒャッホーーーーーーーーーーーイッ!!」
と冒頭に戻ると言う訳です。
これなら大幅に道程が進みますね!
150話とか超えましたけど、これ、他の方のお話とかだとまだ40話とか50話分しか無いんですよね。
字数から見ると1/4から1/3サイズ・・・内容の薄さも半分以下ですから丁度いっか!!
お付き合い下さり有難うございます。
これからも四コマ漫画気分でお見守り下さい。
ブクマ、評価有難うございます。