130
日増しに暖かくなって行きますね。
新しい長距離用の鎧も完成しまして、遠征の準備も着々と進んでおります。
ネイは今回はお留守番ですね。ちょっと寂しいですけど、僕のわがままに付き合わせる訳にも行きませんもんね。
新しい鎧は、装甲を着脱式にしました。
ミスリルの鎖帷子に縫い付けるのではなく、装甲の隙間をメッシュで繋ぎ重量を軽減。用途に応じて追加装甲を加えるタイプです。
元になる軽鎧は鎧と言うより、バイカーのプロテクターのようなデザインです。重要か所のみ装甲で覆われており、極力動きを制限する事の無い作りです。
これはほとんど普段着と変わりません。戦闘用と言うよりもホントに怪我防止用のプロテクターですね。
これに、追加装甲を取り付ければ長距離用の鎧となります。
普段着用バージョンを狩人鎧、長距離用鎧を騎兵鎧と名付けます。馬に乗ってる訳では無いですが、長距離を行くので何となくです。
ついでに以前に暴発して中断していたライターも作成。
もう魔晶石の特性も掴んでいますから、失敗はしません。ちゃんと機能的に作れました。
水の魔晶石で無限革水筒も作って荷物の軽減もバッチリ!聖銀先生と樹脂先生のどこでも先生の準備もオッケー。
長距離行軍用品も揃いました。
折り畳めば辞書一冊くらいの大きさになる親蜘蛛の糸で織ったタープ。これはネイが草木染で染めてくれまして、濃淡のある緑色、つまりカモ柄のギリータープですね。
薄くて軽くてしかも丈夫、言う事有りません。
他にも以前作った携帯コンロにキャンプクッカーセット、パラコード、寝袋の代わりの毛皮マントはイルカアザラシの毛皮で作られているので、軽くて物凄く暖かいです。
当然明かりも用意、広範囲照射用ヘッドライトをいつものサファリハットに装備、他にもにシャッター付きのランタン、サーチ用のビームマグライト。銃にはモジュラーライトも装着できます。
備えあれば憂いなし。備えよ常に、ですね。
携帯食も充実、以前までは森芋のマッシュに干し肉か干魚を練り込んだ物を乾燥させた物しか有りませんでしたが、今回はいつもの森芋のシチュウの他、ネイ特製のドライソーセージ、美味しいけどカチカチに硬い乾パン、干貝と乾燥ハーブのスープの素、予備の塩やスパイス・ハーブ等とても豊かです。
勿論いくら軽くても、さすがに全行程分の食糧は持って行けません。途中で狩りをしながら行くか、物資の減り様を見て、最悪途中で切り上げも考えています。
荷物はさらに武装も有りますんで、無理は出来ません。サンプル採取もあるかもしれないので冗長性も残しておかないと・・・
やっぱり遠征は大変ですね。
これがラノベの主人公なら、無限収納に明かりの魔法にテレポートに結界魔法で夜もスヤスヤと眠れて何故か異世界にもカレーが有ってとチート三昧なんでしょうね。
チートが爆発して回転しながら禿げて自分のハーレムから永久追放されればいいですよね!
今回の遠征はちょっと長めで、二十日前後を予定していますからね。食料だけでも結構な量です。
バス経由で行きに六日、調査に五日、帰りに八日、予備で一日ですね。
帰りが八日なのは、あの延々の上り坂を登って来なければならないからです。
悠久盆地のスロープを下るまで三日、草原を横切るのに二日、湖畔の白い部分の調査、帰路と一応計画を練り、このいずれかでも大幅に変更が有れば途中でも諦めて帰るつもりです。
無謀な冒険をするつもりは無いですからね。
これが第一計画。
第二計画はあの湖畔の白い場所が僕の望むような物では無かった場合、本気でネイの村を訪れる事を考えなければなりません。
その後僕ごと移住するか、たまに交流するに留めるか、それとも絶縁したままにするかを考えます。
何故ネイがあんなにもボロボロになりながら、たった一人で森を彷徨わねばならなかったのか、何故ネイは村に帰ろうとしないのか・・・
思い出すだけで胸が痛みますが、その理由如何によっては、先程の絶縁も考えないといけないと言う事です。
その場合、他の集落から気の良い方に限り、移住者を募ってあの森に村を作る事も考えます。これが第三計画です。
幸いあの森はとても豊かで、一つの集落くらいは築けるでしょう。
人手が有れば畑作なども出来るでしょうし、森の開墾も出来ると思います。勿論僕も頑張ります。
とにかくネイの為にも、僕の為にも頑張って調査しないといけませんね!
ブクマ、有難うございます。