15
何とか気を取り直してゴブ仏さんを検分してみます。
う、なんか吐きそう・・・吐くものなんて無いですけど。食欲が涌かないのはこの状況ではナイスです。だってお腹減っても食べるもの無いんですからね。
とにかく諦めて何か使えそうなものが無いか探しますか。
結局見つけたのはボロボロの革の矢筒に入った矢が三本だけ。弓本体は流されたようで見つけられませんでした。もう一人のゴブ仏さんも手ぶら。何か持ってたかもしれませんが流されたか沈んだか、いずれにせよ入手できませんでした。
流木でゴブ仏をきっちり水葬するのは忘れません。
だんだん気温も下がってきました。時間は夕方の四時過ぎ、早く今晩の寝床を確保せねば!
水辺は動物たちの水飲み場でもあります。鉢合わせとかは勘弁なので、少し森に入る事にします。
定番ではやっぱり木の上でしょうか、ハックルベリーのツリーハウスとか憧れますけどね、贅沢は言いません、安全第一で探します。
それにしても立派な樹が多いです。バスのところの屋久杉みたいな樹程ではないですけど、すごい樹齢の樹ばかりです。まあ、何年とか分かりませんけど。
道々蔦なんかを拾い集めます。茸なんかも見かけますけど取って食べる気はおきませんよね。
しかし森歩きはしんどいです。軽いアップダウンだらけで、苔も踏むと滑ったり、木の根に足を取られたり、地面も基本腐葉土で踏みしめると少し沈みます。
あまり奥に入りすぎても道に迷って川に出られなくなったら困ります。この辺で探しますか。
たまに、竹みたいに細く、真っすぐな樹を見つけます。横に太くなるより先に背を伸ばして陽に当たる為でしょうか。手頃な樹を一本ゴブナイフを鉈のようにして伐り倒します。一番太い所で直径五センチ位の樹の、先端の枝葉を落として三メートル程の木槍を作ります。だってリーチ欲しいですもん。
寝床を造るのに良さげな樹を見つけたので、細工は後回しにします。ちょうど、五本の指でボールを掴むように枝を伸ばした樹です。幹も太く、一番下の枝迄二メートルちょっと位でしょうか、問題は僕が登れるかです。
先程伐った木槍を使って、棒登りの要領で何とか登れました。
木槍も引き上げて、落ちないようにと僕の足場も兼ねて横木の様に蔦で固定します。
樹の端の方の枝を切って、葉っぱベッドを作れば出来上がり!!なんだか鳥の巣みたいです。まあ、イメージしたのが鳥の巣なんで当然ですが。
何とか体を丸めれば眠れそうです。森の中は風も通りませんし、夜露はどうにもなりません。諦めます。
しかし長い一日でした。もう限界、基本インドア派で、特にスポーツもやってなかった僕にはハード過ぎます。もう今日は寝ます。お休みなさい。
目が覚めたら夢だったらいいな!
しまった!ボケが入ってない。これじゃ当たり前のサバイバルじゃないか!しかも異世界ほぼ関係なし!
次回頑張ります!ブックマークとかしてくれたら嬉しいです!