127
動力となる魔石の組み込み方、基幹部品となる魔晶石の配列、魔力を伝導させるためのギミック、加熱する筒先の冷却、安全対策、操作性等を考慮すると、思っていたより恐ろしく複雑な構造となってしまいました。
何度も失敗し、試行錯誤を繰り返して完成したのは三丁の魔法を発する道具、魔道具です。
ついにここに来て僕もファンタジー世界の仲間入りです!
僕の職業魔道具職人です!と、胸を張って言えるでしょう!
ギルドなんか無いけど!!
よく考えたら、他にも魔晶石でコンロやら冷凍冷蔵庫やらも作ってるし!
本当の職業は狩人兼開拓者だけど!
というか自由人だけど!!
さて、三丁と数えました。
そう、僕が作った魔法の杖は魔法を発する銃です!
落ちてなかったからとうとう自分で作りました!
どう考えても杖で狙うとかより操作性が上のような気がしますし。
先ずは僕の銃。
魔晶拳銃、シンタラインスペシャル!
上下二連の銃身を持つハンドガンです。
上の銃身は炎の魔晶石を機関部に埋め込み、着弾すると小爆発を起こすファイアバレットを放ちます。下の銃身は光の魔晶石を埋め、ライトレイを放ちます。ライトレイはレーザーのように貫通力が有ります。
切り替えレバーでセイフティ、ファイアバレット、ライトレイと選べようにしました。
いずれも射程は30m程、射程内なら威力の減退は有りません。その代わり、射程を超えるとスパッと消滅します。
銃身の冷却は機関部中央に氷の魔晶石を組み込む事で対処しました。
出来るだけ軽量コンパクトをコンセプトとしたのですが、出力の兼ね合いで銃身はどうしてもある程度長くなってしまい、8インチ程でしょうか。
当初、デザインはマッドなマックスさんのように水平二連にしたかったのですが、余りにも嵩張るので泣く泣く諦め、最終的に西部劇に出てくるコルトSAAによく似た形になりました。
コルト・ピースメイカーという呼び方の方が有名ですね。
機関部が魔晶石やら色んなギミックを内包しているのでリボルバーっぽく膨らんだフォルムなのに、自動拳銃のようにグリップの下部に魔石マガジンを入れる仕様です。
発射回数はワンマガジン8回。ファイアバレットでもライトレイでも全部で8回。これ以上は無理でした。
上部のファイアバレット銃身に、延長銃身を取り付けると火炎放射が出来ます。
ただし、火炎放射はコスパが非常に悪いので使う事はあまり無いかもしれません。魔石満タンでも30秒程しか照射出来ませんからね。
アメリカ西部開拓で功績の有った五人のガンマンに、西部劇作家のネッド・バントラインが贈ったとされるコルトSAAバントラインスペシャル。それにあやかり、シンタラインスペシャルと名付けます。
贈られた人で一番有名なのは、かのワイアット・ベリー・スタップ・アープですね。保安官のワイアット・アープです。
彼のバントラインは16インチといいますね。どうやって抜くの?もうライフルでいいじゃん、て思いますよね。
ちなみにこのように有名なバントラインスペシャルですが、実際にはコルト社には製造記録が無く、ネッドの創作ではないかと言われているそうです。それに英雄の如く映画化もされたアープですが、実像はかなりグレーな人物ですし・・・悪人同士の潰し合いが、かのOK牧場の決闘という見方もできますね。
ま、それはともかくこれは護身用武器です。残念ながらミスリルボウを超える武器にはなり得ませんでした。でも、狭い閉鎖空間なら充分有効です。
続いてネイの小型魔晶拳銃、ネインジャー!
本家のデリンジャー程小型化は無理でしたが、僕のシンタラインスペシャルより若干出力を落とし、さらに小型軽量化を図った銃です。銃身の長さは3インチくらいでしょうか。どちらかと言うとチーフスペシャルです。
もはやデリンジャー感のカケラも有りませんが、ネインジャーと言い張る事にします。
ライトレイのみの仕様ですが、結構ピーキーに調整したので小型ながら威力はそこそこ。これもあくまで護身用。射程20m弱に発射回数10回です。
是非、生フトモモのホルスターに吊るして欲しい一丁です!
スカート捲り上げる時はパンツぎりぎり見えない範囲でお願いします!
それが良いんです!!
ブクマ、有難うございます。
主人公、やっと魔法?が使えるようになりました・・・
長くなったのでもう一丁は明日です。