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汚い血管が崩れ落ち、玉が自由を取り戻すと、弱々しかった光の点滅も落ち着き、仄かではありますが、安定した輝きを玉は放ち始めました。
それにつれ、地底湖の明るさも随分上がって行きます。
さすがに昼間のように明るいとまでは言いませんけど、とても地底とは思えない明るさです。
そして次の瞬間、玉と台座の接続部から清冽な水が溢れ出し始めたのです。
水は勢いよく溢れ、お豆腐島の神域に落ちている汚れを洗い清め、虫たちを追い払い、ついでにぶっ倒れて抵抗できないでいる僕も流されて行きます。酷い・・・
湖に落とされ、力なくもがく僕はパニック寸前です。勿論溺れる前にスケさんが助けてくれましたし、戦闘中失くして、これも流されていた水中呼吸器や水中メガネ、放った矢も鰭脚類人の皆さんが回収してくれてました。
皆さんいい人たちです。
そして今回の戦利品というか報酬?
仲良くなれそうな隣人が発見できたのが一番の収獲ですよね!
僕とネイは沢山の鰭脚類人に笑顔で囲まれています。皆嬉しそうです。
仲間のお骨や遺品の銛を拾ってしんみりしている人たちもいますが、お察しいたします。
でも、ホントに皆さん友好的です。
まったく言葉は通じませんけど・・・
食生活、文化、住環境違いますけど・・・
体の痛みがある程度治まり、喜び勇んで聖銀先生捕まえてたら、ネイはおろか鰭脚類人の皆さんにまでドン引きされたけど・・・
魔石や魔晶石も沢山頂きました。
光の魔晶石も追加で貰えたし、倒した魔物の魔石も全て貰えました。
ただ、あの大目玉から出て来た真っ黒の魔晶石、闇の魔晶石(仮称)だけはご隠居様が欲しそうにしてたのであげちゃいました。
なんか不気味でしたしね。興味は有りましたけど、友好の証です。
大目玉のマスクメロン大の魔石も貰っちゃいましたから、欲張ったらいけませんよね。
喜んでくれたみたいなので、僕も嬉しいです。
今回の目的である、肩慣らしと素材集めはうまく行きました。
でも今回の戦闘の反省は何でしょう・・・
やはり多対一の時の対処、そして鰭脚類人の戦いを見てふと思ったのですが、対魔法戦でしょうか?
ゴブさんくらいの戦闘力の集団であれば、そして先に発見して心構えができていれば、分断、その後各個撃破で対処できます。
やはり何らかの範囲攻撃手段、それもよりリーチのある方法が欲しいですね。
そしてより大きな問題は、対魔法戦。
これはうっかりしていました。今までブレス以外の魔法を使う敵に遭っていないので失念してました。
ミスリルって物語では大抵魔法装備なので、ある程度の防御力は期待できるのかな?
崖城に戻ったら盾に火の魔晶石暴発させて検証してみましょう。
それに、ひょっとしたらこれから物理攻撃無効とかの魔物もいるかもしれません。対抗手段も講じとかないと・・・
さらに、鰭脚類人がポンポン魔法を撃っているのを見て思ったのですが、やはりネイの遠距離攻撃手段を早く見つけてあげないと僕が不安です。
今回はたまたま友好関係が築けましたが、もし彼らと敵対していたらブレスよりも射程の長い魔法の飽和攻撃で一巻の終わりでしょう。
最低でも魔法の効果範囲以上の射程を持つ武器・・・
実は考えが有るのです!
崖城に戻たら早速実験です!
その前にネイに素材使用のお許しを貰わないといけませんが・・・
ブクマ、評価有難うございます!