表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界サバイバル ~チートって何?美味しいの?~  作者: ハニービー
異世界の新天地と共に
132/190

114


 何だかんだと、必死に話しかけてくるお爺さんを可哀そうに思ったのか、ネイがしゃがみこんで懸命に聞き取ろうとしてくれてます。

 抜け目なく袖箭しゅうせんの柄に手を掛けていますので、油断してはいませんね。


 僕は護衛さんの所に行き、とりあえず元の姿勢に戻ってもらい、さり気なく武装をチェックします。

 二人は揃って何やら背負い袋を背負っていますが、目に見える武器は例の短い銛のみ。

 お爺さんの武器は、その銛から穂先を外し、代わりに房飾りのようなヘッドを付けた杖。

 

 銛は、柄の中央にスポークで支えられた車輪のような鍔が二枚付いていますが、これは実際車輪でした。

 お爺さんが、僕の前に素早く回り込んだギミックがこれです。

 両手持ちした杖、ないし銛を地面と平行にし、上半身の体重を杖についている車輪で支え、鰭脚を回転させるように力強く動かすことで地上でも素早く行動できるようです。

 

 そして腰から下の毛は、針金のように太く強靭そうで、また撥水用の油脂分が潤滑油の代わりにもなるのか、地面を引きずっても滑らかに動けるようです。


 油断ですね・・・素早く動けそうにない?

 彼らは充分素早いです。勿論二足歩行の僕らよりはるかに自由度は低いですし、その敏捷度もそんなに高くはありません。

 ですが、思ったよりも(・・・・・・)随分速い・・・

 もし戦闘になっていたらそのギャップにやられ、後れを取った可能性が有ります。


 これは反省しないと。

 見かけや先入観で決して判断してはいけませんね。ここは僕の常識が通じない魔境なのだと改めて感じました。






 お爺さんの話が一区切りついたようです。

 ネイも全容を把握できた訳ではない事は、その様子を見て解ります。そしてネイと僕は完全には言葉が通じません。

 つまり僕に伝わった情報はほとんどありません。

 ので、ここからは僕の推測です。


 地下墓地湖カタコンベレイクは元々、静かで平和な鰭脚類人シールマンたちの街だった。

 しかし、ある時王様半魚人キングサハギンに率いられた洞窟半魚人ケイブサハギン達が攻めてきて、その平和は失われる。

 辛く厳しい隷属の日々。

 そこに現れたスーパーヒーローシンタロー!

 今まで自分たちを苦しめていた半魚人サハギン両生類人フロッグマンをバッタバッタとなぎ倒す無敵の英雄!

 ついには王様半魚人キングサハギンすらその軍門に下し、自分達を救ってくれた神の使者!

 さあ、皆でシンタロー様を称えよう!

 お礼を言おう!

 そしてお礼をしよう!

 お礼の品は鰭脚類人シールマンに伝わる伝統料理、カレーライス!

 あったか炊き立てご飯にかけられた魅惑の黄色いソース、添えられているのは勿論福神漬け!




 途中で推測から妄想に変わっていましたが、大体そんな感じではないでしょうかね?

 実際お礼の品らしき物を頂きました。

 

 残念ながら、非常に残念ながら、カレーライスではありませんでしたが、ご隠居様(仮称)---お爺さんの事です---が背負った袋から出してきたのはなんと三種類もの、見た事無い魔晶石をそれぞれ複数。

 そして、スケさん(仮称)---シュッとした方の護衛---が取り出したのはどっさりの魔石。

 さらにカクさん(仮称)---ガタイの良い方---が差し出してきたのは少量のミスリル鋼液、核とゼリーの二種類がそれぞれ入った革袋。


 頂いた時ネイにジト目で睨まれましたが見えない振り・・・




 そして僕らはご隠居様たちに連れられて、地下墓地湖カタコンベレイクを再訪するのでした。

ブクマ、評価有難うございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ