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異世界サバイバル ~チートって何?美味しいの?~  作者: ハニービー
異世界の新天地と共に
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 違いは何となく玄武岩の上り坂からも伝わって来ました。

 空気が柔らかい?気配が穏やか?

 勿論僕が感じる事ですから勘違いの可能性大ですが・・・


 逆に緊張します。うっかり罠に嵌らないよう、いつでも逃げられる準備をし、しっかり観察しながらダイゴロー二世号を押して坂道を登りましょう。

 ネイは拠点に残してあります。また洞窟半魚人ケイブサハギンの津波が来たら大ごとですからね。まずは僕一人で偵察です。




 あれ?明るい・・・

 車輪を更に大きく変更し、悪路の走破性を高めた自信の新車。そのダイゴロー二世号に取りつけた松明の明かりとは明らかに違う明かりが、地下墓地湖カタコンベレイクから漏れています。

 けして昼間のように明るいわけではありません。しかし、以前は松明がないと自分の手がどこに有るのかも判らない完全な闇でした。


 しばらく立ち止まって観察します。

 これは炎の明かりではないですね。揺らめきがありません。例えて言うなら蛍光灯やLEDのような安定した明かりです。


 行くか、戻るか・・・


 悩みますが、立ち止まっていても解決するわけではありません。 

 と、言う訳でさらに慎重に偵察です。その場にダイゴロー二世号を置き、松明の予備と一緒に放り込んでいた盾を装備します。

 そう、パイル叩き(バンカー)改め、衝撃ソニック叩き(バンカー)シールドです。

 意外に軽いんですよ、この盾。


 硬く煮固めた革とミスリルの装甲板の間に樹脂先生アクリルスライムの緩衝材を挟んだ物で、先細りの洋凧型。下部は細い先割れスプーンのようになっており、中心はデスペアパイセンの角が飛び出ています。


 何故このような形状かと言いますと、カッコいいから!

 ・・・だけではありません。

 王様半魚人キングサハギン戦の教訓を生かしたデザインなんです。


 デスペアパイセンの角を支点として、尖った部分を地面に突き刺す事で、重い斬撃を受け止める工夫です。

 いくら盾が優秀でも王様半魚人キングサハギン並みの突進や斬撃を受けたら、盾ごと吹っ飛ばされるのは火を見るより明らかですからね。縦長で大きめの形状にしたのもその為です。邪魔ですけど。



 その盾を握って武装を整えます。

 盾を構えると、弓が持てません。盾はエナームという腕を固定する革紐を肘近くに通し、手でハンドルを握って固定する必要があります。ソニックバンカーを撃つ時には盾を腕と並行にしなければいけない為、ハンドルはR(アール)に角度をつけて自由度が高く作ってあります。しかし、弓が持てるほどではありません。


 リーチのある武器が欲しいですよね。現在弓に次ぐリーチの武器は袖箭しゅうせんのみです。しかし袖箭しゅうせんは一回撃ったらお終い。しかも攻撃力は中途半端です。あくまでもあれはブレスを邪魔する道具です。ボーラは武器ですらありません。


 ・・・銃とか落ちてないかな?

 盾を構えてのライフルはガン〇ムでも基本でしょう。


 欲は言いません!対物ライフルなんて要りません、どうせ扱えないだろうし。

 アサルトライフルも遠慮しときます、これも素人には無理じゃないかな。よく知らないけど。

 ショットガン!これがいいです。ショットガンが落ちていますように!!水平二連装の奴でもいいです!ソウドオフしちゃってマッド〇ックスみたいに渋く極めたいです!!




 まあ、落ちてるはずないんですけどね・・・


 仕方ないので、あれからまた魔改造した伸縮式片鎌槍を取り出し、柄を振り出して伸ばします。縮ませると全長120㎝程で長巻みたいです。延ばすと2mを軽く越えますよ。

 槍の穂先の鞘は弓鞘に一緒に突っ込んでおきます。




 いつもの門柱まで辿り着き、そっと覗くと明かりの正体が判りました。

 地下墓地湖カタコンベレイクの石筍や鍾乳石の頂点が、所々眩しく発光しているのです。全部ではありません。しかし、かろうじて本が読めるくらいの明るさが有ります。

 

 照らし出されている空間はやはり広大で、深い奥行きは先が見えません。地底湖は静かに清浄な水を揺蕩え、水底からも光が見えます。天井は雲母でもあるのでしょうか、キラキラと星空のように光を反射していてとても幻想的です。

 

 そして、照らし出されているのは空間だけではありませんでした。

 


 人魚です・・・

ブクマ、評価、有難うございます!


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