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巨人洞窟から持ち帰った戦利品は莫大な量にのぼります。嬉しいですね!
鹵獲した武器類はほとんど要らないんですけど、放置しておくとモンスターにまた再利用されるかもしれないので、金属パーツだけ持ち帰って倉庫に放り込んでます。
その他、魔石、魔晶石、王様半魚人の綺麗な白い鱗等、使えそうな物もどっさり。勿論、水銀先生素材はダイゴロー号が壊れるぐらいの量が捕獲出来ました。
でも何故か、大半の水銀先生素材はネイに没収されてしまいました。明らかに鎧一領作るのには多すぎる量なのに・・・
多分僕に渡したらまた盛大に無駄にすると思われたんでしょうね・・・
ぼ、僕は悪くない!これは厨二病の諸症状の一つです!!
ちなみに、僕の鎧はネイが作ってくれるそうです。作業部屋に引き籠って作業してます。
けして覗いてはならぬぞ!と、鶴の恩返しみたいになってます。
そんなわけで、雪が降りしきる毎日の崖城で、せっせと工作です。
なんとかネイを拝み倒して水銀先生を分けて貰い、まず作ったのは鉞です。これで太い樹でも伐り倒す事が出来、建材、薪等の調達が楽になります!
水銀先生素材は、混ぜれば混ぜるだけ何故か重くなります。その性質を利用し、ある程度の重さが必要な道具である鉞は思いっきりこね回して重量を稼ぎ、逆に素材の量そのものを節約します。
そうして次々と鑢、鋸、鉋、鏨、鑿、鎚を作って行きます。
これで家のリフォームや、家具製作が捗ります。雪が融けたら作りたい物がたくさんありますからね。
クラフトツールの作成が終わると、今回のダンジョンアタックで浮彫になった、僕の攻撃力の底上げを図りたいと思います。
基本、攻撃力とは筋肉です。
これは地道に鍛えて行きましょう。今はそれ以外です。
まず取り掛かったのは、折れてしまった片鎌槍の柄です。
これで槍を折られるのは何度目でしょうか・・・勿論僕の使い方が駄目なせいなんですけど、折られなくする方法はあります。
材質を丈夫な物に代えればいいのです。で、作ったのが水銀先生パイプです。
薄く、細長い板を作りまして、固まる前にやや楕円形に細く巻いた物です。
折れるものなら折ってみやがれ!な柄ですね!中が空洞なのでひょっとすると木柄より軽いかもしれません。しかもパーツを三分割して組み立て式にしました。持ち運びらくちんです。
次に作ったのは同じく水銀先生製の弓です。いわゆる鉄弓と言われる弓ですね。鉄ではないですけど。
弓の威力を上げるには、より張力の強いリムが必要で、その張力に耐えるハンドルとストリング、何よりそのストリングを引く力が必要です。
正直、水銀先生素材さえあればいくらでも強力な弓は作れます。問題は僕の筋力。
世界一強力と言われるイングランドのロングボウは、引く力が100ポンドと言いますから、45kg以上の力が必要です。片手で小柄な女性を一人を持ち上げる力です。
そこまで強いと僕には無理!
矢の一本は放てても、二の矢が放てませんし、まず当てられる気がしません。
僕が引けるのは精々50ポンドでしょうか。22kgちょっとですね。これだって相当な力です。弓は腕力だけでは引けませんので背筋鍛えなきゃですね。
ですので、それぐらいになるように核とゼリーを配合して小型、軽量の弓を作ります。小型で軽量でも、歴代の僕の弓の中でも最強の威力です。
ストリングを掛けるのも一苦労ですね。でもこの弓の良い所は、びっくり素材製ですからストリングを掛けっぱなしでも弓が劣化しない事ですね。持ち運びも随分楽です。
ストリングは水銀先生ワイアーを撚った物を予備も含めて用意。鏃も貫通用の鋭い物と、破壊用の二股をそれぞれ三十個程作ります。
最終的に片鎌槍の柄も、弓本体もトンボの革で巻きます。ピカピカで光を反射しますからね。槍の柄は黒、弓は黒緑茶の虎縞です。とってもアーミーな感じです。矢筒も新調してお揃いの虎縞で統一しました。
さあ、筋力鍛えなきゃ!まずは腰から!!(天丼)