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仕事が終わった様子の水銀先生たちを回収し、ネイに魔石の収集をお願いしておきます。
今日は作りたい物が一杯あるので、本日の狩りはこれでおしまい。
無益な殺生は好みませんので、親蜘蛛の糸トラップは回収です。
その際現れた両生類人の下っ端戦闘員二匹は、回収しやすい位置に来たところで射殺。再び先生一匹が登場。
というのが有りましたが、無事終了。
帰り際誰かに見られてるような視線を感じましたけど、多分気のせいでしょう。誰も居ませんし、それに両生類人眼がないですもんね。
中魔石が十個、火の魔晶石(小)が五個、氷の魔晶石(小)が一個、水銀先生素材四匹分、武具二つ。
上々ですね!ホックホクです!
仮拠点の横穴まで、警戒しながらもネイと手を繋いで帰ります。
ネイはよっぽど水銀先生が怖ったようで、僕から離れません。可愛いですね!もうメロメロです!
仮拠点の周辺を異常が無いか確認し、アラームを張り直したところで、今日のお楽しみ工作タイムです。
先ずはキャンプ道具から!
ネイと僕の分のシェラカップ、携帯フライパンと鍋、食器、先割れスプーンです。この内、シェラカップ以外は一つにまとめて収納できるように大きさを調整します。現代のキャンプ道具と一緒ですね。
次に作るのは携帯ストーブです。
火の魔晶石を乗せる台座、燃料となる魔石を乗せる火力調節レバー、炎の熱を放射させる穴開き輻射板、鍋などを乗せる五徳を分解組み立てが簡単で、小さく持ち運べるように、現代のキャンプ道具を思い出しながら作ります。
これで出先でも暖を取る事が出来ますし、簡単に調理が出来るようになりました。ビバ先生!!
これもう一個作って家に置いとこ!電気ケトルの代わりになって便利!ハレルヤ先生!!
あらかじめ全て鋳型を作って来ていたので、すぐに出来ました。隣でネイが目を丸くしています。
早速使い方をネイに教えてご飯タイム!といっても携帯保存食を水で溶かして、干し肉入り芋シチューにするだけなんですけどね。枝豆固焼きパンと食べると結構おいしい。昨日はガリガリ保存食を齧っただけなので、特に美味しく感じます。
今回の戦闘で、やはり武器の充実も必要と感じました。
ブレス封じの道具は勿論の事、鏃、弓の強化は絶対でしょう。僕のメインウェポンですからね。弓を引く背筋も鍛えなきゃ!
洞窟半魚人の鱗には水銀先生製の武器が有効のようですから研究しましょう。
それではまず、ブレス封じの道具について考えてみましょう!
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、スペツナズというのは旧ソ連の特殊部隊の事のようです。
このスペツナズで使われていたとされるナイフが件のナイフです。
正式には”弾道ナイフ”というらしいですね。実際には使用されていたかどうかは定かではないそうです。都市伝説みたいなものでしょうか。使い勝手悪そうですもんね。
それに、どう考えてもそんなに威力があるとは思えませんし、僕にとってはナイフである必要もありません。
そこで思い出しました。学生の頃ハマった作家さんで金庸さんの武侠小説に出て来た暗器。
袖箭です。
作動原理はスペツナズナイフと全く同じですけど、袖箭の方がバネのリーチが有ります。
竹筒の中にバネを仕込んで矢を飛ばす道具です。袖の中に隠して箭を飛ばすので袖箭です。
ナイフの構造について考えていたら思い出しました。こっちの方が単純ですし。
水銀先生のびっくり性能と合わせれば強力な物が出来そうです!
金庸さんの『秘曲笑傲江湖』という本。
最高です!
活劇あり、ロマンスあり、笑いあり、NTRあり、ざまぁあり、裏切りあり、陰謀あり、追放あり、成長あり、チート剣術あり、主人公最強あり、ハーレムあり、しかもハッピーエンド!!
現在のネット小説の要素が全部詰まったお話です!
読まなきゃ損です!