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炎のブレスは冷気のブレスより出力が弱い感じです。
せっかく張った親蜘蛛の糸は冷気には耐えたものの、炎には勝てず、ピンピンと音を立てて焼き切れました。
いくら暖かくても手にはまだ感覚は完全に戻って来ません。しかも炎のブレスはすぐに止んでしまいました。もうちょっと暖めて！
そんな事も言っていられません。半解凍で表面だけ焦げた両生類人をどさりと槍から落とし、突っ込んで来た上位種に穂先を向けます。
上位種の槍は針のように細くて長いギザギザの穂先で、鞭のように良くしなります。お陰で狙点が定まらず防御が難しい！柄は相変わらず何かの骨をつなぎ合わせたような無骨な感じです。
相手の突きを片鎌槍の鎌刃で受け、捻じる！
強い！凄い筋力！しかし、梃子の原理で僕の方が優位な構え！強引に上位種の槍を絡め取り、左に倒し、手元に蹴り！
ビクともしません！
それどころか片鎌槍の鎌刃は相手の槍の柄を滑り、上位種の手元近くで止まりました！
こうなると僕が不利！
すかさず柄を返して相手の柄に合わせて力比べの図になりますが、もう支えるだけで精いっぱいです！僕の方が若干背が高いので、それだけが唯一の強みです！
再び上位種が口を開きました！
ブレスッ！ヤバイ！
上位種のノドチ〇コが震え、冷気が凝縮するのが幻視出来そうです！両生類にもノドチ〇コあったんや！
サクッ！
大きな口の中から矢が生えました。
グッジョブ！ネイ！
喉の中まで鱗は無いでしょう！ネイの放った矢は、分厚い舌を貫き、上位種の右の頬から先端を飛び出させています！
当然ブレスのシークエンスは中止、危なかった！
怯んだ上位種の下顎を、左逆手で半分引き抜いたバスタードソードの柄頭でカチあげ、すぐに元の鞘に納刀。顎の骨を砕く手応え！
間髪入れずに片鎌槍をグレイブのように薙ぎ払うっ！
左から右！
それだけの動作であっさり上位種の首が落ちて行きます。ナニこの槍、怖い。
吹き出す血を避けて残った両生類人を捕捉！
膝立ちで這い寄って来ていた一匹を槍で貫き、もう一匹には上位種の槍を投げて串刺し、最後の一匹は余裕を持って弓に持ち替え葬りました。
結構危なかった！
ネイのフォローが無かったら無傷ではいられなかったでしょう！油断していた訳ではありませんが、これだからダンジョンは怖い・・・
ネイと片鎌槍の性能に助けられました。
ネイを呼び寄せ、抱き締めて感謝を伝えます。有難う！ホントに良い娘！！
元の世界のお父さんお母さん、兄貴に妹、お爺ちゃん、お婆ちゃん！シンタローは元気です。それどころか勿体ない程の嫁を貰いました！！
上位種の持っていた槍は、鉄鞭のような物かと思っていたら、実はレイピアを穂先に付けた物と判明。道理で良くしなる訳ですね。材質は水銀先生で間違いないでしょう。
しかもフラムベルクという波刃のレイピアです。なんてマニアック！
でもなるほど、あえてしならせる武器なら核を節約して武器が作れますね。勉強になります。ノコギリ作るとき参考にします！
例によって刀身だけ頂きです。
細かく観察すると、刀身全体に細かく唐草模様が彫られ、優美な造りです。
レイピアと言うのはよく刺突専用と思われがちですが、実は両刃の剣です。刺突専用はフルーレですね。
ただし、断面が三角形のも有りますから全部が全部両刃と言う訳ではありません。似たようなのでエストックというのが有りますが、構造も使い方も違うので全くの別物です。
刺突に特化した剣と言うのは間違いではありませんが、実は斬る事も出来なくはない剣です。しかもこれは波刃の剣。斬られたり刺されたりしたら酷い傷になりそうです。
因みに幅広剣というのは、レイピア基準で幅が広いと言っているので、サンシャイン誰それが持っているような幅の剣ではありません。一般的な剣は全部幅広剣になりますね。
ドイツに買い付けに行った時に観光で寄った武器兵器博物館に書いてありました。メッサーシュミット、カッコ良かったな。
また良い物を頂きました。ついでに魔石も下さい！！
