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異世界サバイバル ~チートって何?美味しいの?~  作者: ハニービー
異世界のお嫁さんと共に
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 困った事になりました。


 付いて来ると、散々ごねるネイの説得に失敗し、今回二人で冒険です。

 いつもは聞き分けの良いネイが強硬に同行を主張したのには驚きましたが、前回心配をかけた負い目のある僕は、最後には折れるしかありませんでした。



 今回の地下墓地湖カタコンベレイク奥地探索は諦めて、大人しく素材収集のみ行いましょう。

 ネイの予測では、雪が降るまであと半月ほどの猶予との事。そんなに時間をかける気はありませんが、冬の間の工作材料をバッチリ狩ってさっさとイチャイチャ冬ごもりです。

 悠久盆地エタニティベイスンの探検は雪が融けてから、気持ちを切り替えて充分な用意を整えて行う事にしました。僕も無茶をする気はありません。


 ネイはこの日の為に、自分の装備をすでに整えていました。と言っても、完全武装という訳ではありません。

 ザックにポーチと言った荷物運びの用意、寝袋や雨具、防寒具、以前護身用に僕が与えたゴブシリーズの短剣とナイフ、僕が最初の頃使っていた一番弱い弓等です。防具は自分で仕立て直した部位装甲プロテクター無しのトンボスーツのみ。

 ちょっと不安ですが、奥地に入らなければ大丈夫でしょう。

 僕の荷物は、いつもの装備に現地ですぐに欲しい金属製品の鋳型をあらかじめ樹脂先生アクリルスライムで作成し、ザックに山ほど入れてあります。使い捨てなんですが、相変わらずの大荷物です。

 寒くなってからは先生たちがあまり出てきてくれなくなったので少し寂しい・・・




 途中軽油の補給と休憩にバスで一泊します。軽油は何とか使えそうでした。バスにかねてより用意していた皮の裏に書いたお手紙を置くと、ネイが不思議そうに見ています。

 勿論バスそのものにも驚いていましたが、不思議一杯の世界で育ったネイの事、すぐに受け入れたようですね。


 次の日、悠久盆地エタニティベイスンの稜線に立った僕らは、改めてその広大さ、雄大さに息を飲みました。

 冬の重苦しい雲に覆われた寒々とした草原、霧の立ち込める遥かな森林。雲海に飲まれ、湖は見えません。そして視界の限界に位置する大山脈は真っ白い雪に覆われ、神々の住まう峻峰のように厳しく聳えています。


 ネイが僕の毛皮のマントに潜り込み、ひしと腕に縋り付いて来ました。

 稜線は風が強いので、急いで下りましょう。


 

 巨人洞窟ゴライアスケイブはなだらかな稜線を少し下りたところにあります。突き出た蟻塚のような岩山なので迷う事はありません。

 前回使った仮拠点は洞窟の裏側の林の中です。ただ今回はもう一つの腹案があります。それが実行できるかまずは軽く大蜘蛛広間グレゴリーホールを探索してみましょう。

 残してきた装備や備品は少し手直しすれば使えそうです。ダイゴロー号よ、久しぶり!


 先ずはネイを外に残し、バックアタックを警戒しながら進みます。

 思った通りがらんどうのまま、人っ子一人、モンスターッ子一匹居りません。あれから二カ月、逃げ散った虫は戻って来てないか、冬眠で出てこないのでしょう。

 念の為、松のような樹脂たっぷりで煙の出る生木と軽油玉一つを中央で燃やします。


 続いてネイを招き入れ、洞窟の外壁の外光が入る罅の部分をデスペアパイセンの角で大きく崩し、光がもっと入ってくるようにします。その間一応ネイに警戒してもらいます。

 やっぱりこういう時二人だと心強いですね。

親蜘蛛の巣が有る最上階にもいい感じの隙間が有るので、大きく開けときます。ここが一番採光出来そうです。暗いのは嫌ですよね。


 作業の途中で魔石の魔力が切れたようで、水晶のような魔石の透明度がどんどん下がり、最終的に粉々に砂のように砕けました。

 デスペアパイセンの衝撃波は魔力を多く使うのか、これで岩堀りに使った分を含め、通算四つのゲジさん魔石を消費しています。お風呂の魔石はまだ一度も取り替えてないので、大きさも含め、検証が必要でしょうね。


 さて、採光工事も終わったので、拠点設営です。

 

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