85
着々と遠征の支度は整っているのですが、実はこの秋という季節は実に忙しいというのに改めて気付きました。
畑をやってないだけまだましなんでしょうね。
食料の貯蔵、薪の貯蔵、衣服の手入れ等々・・・
結構大変だったのが、貯蔵庫の拡張です。
家の裏の岩壁に穿った岩室に食料を入れているのですが、現在この中はコットンを乱獲した中身、つまり巨大枝豆と大量の燻製干し肉に占領された状態です。正直枝豆は数年分くらいの量です。食べきれません。でももったいなくて捨てられません。
家の外壁に岩を削り出したので、その分広くはなっているのですが、まだまだ不十分。地下室を作るよりは楽なので、頑張って掘り出します。
デスペアパイセンの角が大いに役立ちます。今まではノミのように使っていましたが、実はもっと便利な特性を発見しました。
この角はお尻に魔石を当てると、何と先端から短く強力で無反動な衝撃波を発生させるようなので、とても岩堀りが捗ります!
衝撃波は魔石を入手した時に色んな実験をやって気付きました。知らずに触って、テーブルを大破させた挙句、危うく膝に大穴を開ける所でした。
もうネイに怒られる怒られる・・・
実験は他にもやっていて、親蜘蛛の糸玉の中心に有った糸の魔晶石(仮称)に魔石を当てると糸が生えて来ました。
謎です。
水銀先生素材は、ゼリーが多い柔軟な素材は通電?通魔力?して、硬いと絶縁素材になるのも判りました。
通電?通魔力?した素材は、魔力が通っている間はカチカチに硬くなり、魔石を離して遮断すると元に戻ります。
謎です。
全てが謎過ぎるので、フーン、そうなんや~・・・で、済ませる事にします。
家の解り易い所に魔石を置いて、そこからお風呂やキッチンのコンロに魔力を供給するように改造しましょう。効率よい魔石の管理ができますね。
変な言い方ですが、森の実りは殺人的に豊富で、毎日午前中はネイも採集に励んでいます。
茸、木の実、果実、薬草、樹液蜜、岩塩、ハーブ、スパイス、山菜、木蝋、魔獣川の淡水貝等。
この内樹液蜜は煮詰めてシロップにするのですが、冷やし飴みたいな味がしてなんや懐かしぃわ~・・・
この他、勿論狩りも行います。最近は楽園森林では狩りをしません。狩りつくして動物が居なくなると寂しいので、獲物のもっと多い冒険深森が僕の狩場です。
楽園森林で狩るのは肉食の大型獣の時だけですが、最近は滅多にモンスターも肉食動物も出没しません。僕の縄張りと認められたのかもしれませんね。
ゴブさんたちもふんどし一丁じゃ寒いでしょうね、冬眠でもするのかな?因みに巨大トンボはそりゃもう、ビビッドなイタリアンレッドになってました。
これら狩猟採集した素材を無駄の無いように手を加え、仕分けし、保存する。
保存するための棚や箱等を制作し、設置する。家族が増えた時の事も考えて大きめに作ります。
毎日眼が回るくらい忙しいです。冗談抜きで休む間がありません。ブラック企業もかくやという労働時間です。
ネイ、凄い。僕よりも多岐に渡って仕事をこなしています。ホントに働き者で、しかもとっても楽しそうにやってます。
ノコギリが無いので、伐採した木はバスタードソードで切り分けます。結構簡単に切れます。バスタードソードの素振りの練習にもなるのかな?ならいですよね?たまに片手でやったりします。
へたっぴな僕が扱っても刃毀れ一つしません。
謎です。
切れ味は勿論微妙~に落ちます。そうするとネイが魔石を刃に押し当てひと撫でさせました。
切れ味復活。
謎です。
斧で薪割して薪小屋と母屋に保管。やってもやっても終わりません。
生きてくって大変!
ようやく落ち着いて、これでなんとか無事に冬が越せそうとネイが判断したのがつい昨日。
長かった、頑張った。もう途中から遠征の事なんか綺麗さっぱり忘れてましたよ。
気が付いたら随分気温も下ってきました。朝晩の冷え込みが結構厳しく、ベッドでのイチャイチャがつい時間延長になる季節ですよね!
冬はもうすぐそこまで迫って来てます。
ブクマ、評価、有難うございます!
楽しんで頂けるように頑張ります!