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世の中には色々なサバイバル物のお話が有ります。需要のあるジャンルなんですかね?ドキドキワクワクたまりません!
古くはロビンソン・ク〇ーソー、十何人かの少年漂流記、斎〇たかお先生のそのまんまTHE・サバ〇バル。等々、枚挙に暇がございません。そのほとんどがいわゆるハッピーエンドで、主人公は何だかんだ言いながらも大概皆さんご無事だ。
いい事です!ウラヤマシイ!!
僕?僕は今大量の緑色の小鬼みたいなのに追いかけられてますけど何か?
場所は深い森で丸腰ですけど何か?仲間なんか一人も居りません、ボッチですけど何か?!
今も木の根っこに足を取られて派手にぶっ転んでますけど何か~ッ?!!
ここがどこかも解っていませんけど何か~?!!!
すみません意地張ってました助けて下さい誰か~~~っ!!!!
ドッボーーーーン!!
良い子の皆!全力疾走する時は必ず前を見て走ろうねっ!お兄さんとの約束だ!
と言う訳で今僕は短い空中遊泳の末、池だか川だか、湖だか、はたまたでかい水溜りだかに盛大にダイブしたようです。
イヤー全くひどいもんです。上下左右も解りません。随分水を飲んだようです。
おや?しょっぱくないですねー。淡水です。しかもミネラルたっぷりの硬水のようです。この冷たさと流れの激しさは地下伏流水の山水ですかね?こんな状況で無ければさぞかし美味しい事でしょう。
ガンッ!
腰を激しく岩にぶつけてなけなしの空気が肺から逃げて行きます。両手両足どころか全身を使って必死にその岩にしがみつき、ようやく水面から顔を出せました!激しく咳き込みますが空気って美味しい!あ、鼻に水入った、ツーンッ!
しばらく岩につかまってハァハァ怪しい息遣いをしておりますと今度は背中にドンッ!
何やらジタバタと動く物が僕の上着に引っかかってます。
無理矢理首をねじって引っかかった物体を見ると何故か目が合います。
「あ、どうも・・・」
思わず挨拶してしまいます。どうやらさっきの緑色の小鬼さんの一人のようです。ま、まさか僕を助けに飛び込んでくれたとか?
違ったようです。