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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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エリアのそば

警視庁に戻ると寝ている小寺と渡辺、水沢、笠原もいた。専門学校へと行きたいと願ったのだろうと思ったのだ。古木はそっとそばを通って起こさぬようにしているようであった。

「古木、戻って来たのか?」

「あぁ、卓はオープンキャンパスに出ていてかなりのオーラを出していたようだった。願書を送るとまで言わせるくらいだからな。講師のほうはたまったものじゃないだろうな。」

「お前は筋がいいからな。事件が見えているんじゃないのか。ホシも見えているのに隠しているのだろうからな。」

水沢が淡々と告げるように言ったのだ。卓の心意気を感じてしまうのだ。

「皆川は殴られているからな。それも普通のものだ。探すのには時間がかかるだろうな。防犯カメラは鑑識が操っているよ。少し前に一緒にいた中年のおばさんがいたらしい。親しい仲であったと考えるほうがあっている感じがするくらいなんだ。」

「その映像ってさ、笠原ももっているのか?」

「さぁな、そこまではわからないが、笠原は言っていた。見覚えのある人間であるからって。たぶん、お前ならわかるだろうって言っていたからな。起こして見に行けばいいさ。」

水沢は笠原を優しく起こした。風をかけていくだけであったがほほえましい光景でもあるのだ。寝起きの笠原はきょろきょろとしているようであったが、古木を確認すると意味が分かったのかうなずいた。それは大きなうなずきであった。信頼関係というのは言葉で言わなくてもわかるというのではなくて、伝えるべきことを見出せることであるのだ。政治家は嘘と言い訳を繰り返す。それに加えてうそぶいた格好と栗ぶりで何を見出すことなく自分のために働く人間に権力を見せてイエスマンを作り上げているだけであるのだ。マニュフェストも嘘を言っているだけなのだろう。ただの謳い文句を並べて単語を言葉を並べているだけで実行するのは自分のために言いことくらいなのだろう。印象操作といっていた人間が自らの意思で印象操作を作り上げたときに砂の塔を作り上げたのだ。いずれ崩れると知っていてもなおしがみつくことしか教えられていないのだろう。犯した罪の大きさも見えていないのだろうから。そばにいても遠くにいてもわからないのだ。上からでしか見えていないのは消えない視線を隠しきれていない。レンタルされた光を使っているのに図に乗って扱って壊れないと気づかないのは愚かであるのだ。卑怯で愚か。何処に問うのだ。存在意義を。

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