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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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人知れないもの

古木と水沢はパンフレットとにらめっこしている状態になった。小寺と渡辺はそこに参戦していない。調べることが増えたからだ。皆川卓という人間を調べなおしている。ホワイトボードに書かれていたのはもっぱらやる気のない人間に映っていたことだ。

「卓はどうだった。」

「最近の様子では来ないときがあったりしていたので、周りの人からはやる気のない人間としか思われていなかったみたいです。北南大学もそこそこ有名な大学だったのですから。」

北南大学は私立で1、2を争うような大学ではなくもっぱら大学に行ったという功績をつけるために来ている人達の集まりであると卓から聞いたことがあった。文学部に入ったのはいいが、興味のない人も交じっているため、気に食わないと感じることも多かったのだ。まだ1年だと見込んでいたので専門学校へ行く道を選んだのだろう。

「彼の友人は来ない理由を聞くと、専門学校の説明会に行っていたとか言っていたって。どんなところに行ったかは聞かなかったと。」

「専門学校を探していた時期ということか。明らかにやめるということを知り合いは知っていたことになるな。講義に来なかったのはいかない講義と行くべき講義を探って行っていたとしたら・・・。」

「それを探ってみます。渡辺行くぞ。」

小寺の声に飛び上がるように起きて出て行った。卓は昔から小説家になりたいといっていた。祖父に憧れをもっているのを知られるのは嫌であったのだ。それは単に恥ずかしいという思いだけであると知っているから深くは聞かなかった。

「古木。」

「なんだ。」

「皆川卓が殺されたのは利用されただけじゃないと思うぜ。おじいちゃんのことを詳しく知りたいと思って小説も探していたほどだ。」

「炎火を使われていた時から疑問に思っていた。あれは手口がはっきりしたものではないからな。」

結末を知っているから言える言葉なのだろう。結末は見えないとわかっているのにせかせかとしていて結末を悪夢へと導くトップもいるほどだ。政治家や官僚も含まれているが知らないというだろうから。

「俺はお前の指示に従うぜ。会議に出ても無駄足をするばかりで嫌だ。」

「お前な、部下がそれをしているのによく言えるな。」

「いいじゃないか。市橋、手伝え。」

「はい。」

愚痴をこぼしながら進めるのが常識なのだろう。それは此処だけじゃない。政治家や官僚の行いまで口を出していても叫びと認めない人達なのだからいいのだ。匿名だからといった言葉の重さがあるのだ。


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