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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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道しるべの標識

何時ものように警視庁へと戻るのもなんだと思ったのか自動販売機で人数分のコーヒーを古木が買った。ただ出向いただけで収穫とは言えぬようでもあるのは事実なのだ。袋もなかったため、2人で抱え込むように帰った。

「どうだ。何かわかったのか?」

「わかるも何もパンフレットを請求した会社に行っただけさ。全てそろっていなかったのは思っていた通りだった。講師に秘密があるんじゃないかと思ってな。」

「古木が考えがあっているんだ。パンフレットをにらめっこしざる負えないのか。俺も手伝うからな。捜査会議も難航しているのかなんかで膠着状態でさっぱり。湯浅の怨恨だというのは勝手でいいんだけど、全く情報もないんだから困ったものだ。」

水沢はコーヒーを飲みながら言った。会議に出るのも嫌なのだろうが、班が一緒になっているのは特例の此処だけなのでどちらかの班は出ろと言われてしまうので出ているのだ。難儀な立場にあるのだが、水沢はむしろ出ることで捜査会議の間違いを古木に見つけ出すことをしたり、そこから糸口がないかを探させるためにぼやきながらも出ているのだろう。

「そうか。会議の指揮官がろくな指揮をしないんだな。困った奴を上は堂々と上げるから。俺のとこから出た奴は別の路線を考えろと教えてあるからといえるけど、今、どうなっているからなんて知ったことじゃないしな。」

「お前のとこから出た奴は教えを守っているから反逆的な行動をいとわないと聞いた。事件解決を優先するから組織として頭を悩ましているらしいぜ。」

「いいものだ。俺の育てた奴らのモットーは事件解決が上。組織の身内保護なんざしていたら子供に腹抱えて笑われるんだよ。過ちを正さない限り、繰り返されるのは罪と嘘に過ぎないんだ。事件が事件を呼ぶとかいうだろ。」

2人が言い合っている近くのソファにはいつものように寝ている渡辺がいる。それも心地よいのか笑顔が見える。小寺も聞いているかホワイトボードをのぞき込んでいる。書き込まれた文字は正しさを示している。

「今日はすることが済んだな。」

「古木、帰ればいいさ。光ちゃんが悲しむぞ。一止も誠治もな。学校へ行ってるところ見てると何処かお前に似てるぜ。」

「そうだぜ。俺の息子なんだ。一止はデザインがうまい。誠治は作家向きかな。2人ともどちらもうまくなっていればいいんだ。選べるようになるから。・・・じゃあ帰るか。」

「そうしろ。此処で何かあれば俺が対処する。」

笑顔を返す姿はいい関係なのだと思った。

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