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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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照らしたもの

市橋を連れて大手の企業へといった。大概は多くの部門をもっていているのだから当たり前なのだろうか。古木は大きなビルを見ても輝くのはかすかに光る人工の作られたものであってぬか喜びを続けているのだから。人工的な光はいずれ何処かで見放されたら終わってしまう可能性も考えないのはと思うが、うぬぼれた人間には通じない言葉なのかもしれない。

「此処なんですね。」

「そうだ。人材派遣だとかになっているところが主にやっているからな。まぁ、話すだろうな。提供したに過ぎないんだから。」

ビルに入り受付へといった。アポを取っているかと聞かれるが、警察がそうそうアポを取ってくることはないだろうと思った。仕方なく警察手帳を見せると受付の女性は急いで担当者を呼ぶといった。殺人でも起きなかったら全く呼び出すつもりもなかったのだろう。数分後に応接室へと迎え入れられた。お茶も置いてくれた。

「すいません、担当の鴻上です。それでお話というのは。」

「こちらに皆川卓という人が一括でパンフレットを頼んでいませんか。その資料を受け取りたいんですよ。全てではないことくらいわかってますから。」

「そうですか。彼はよく多くの専門学校のパンフレットをネットからも受けてました。全てでよかったなら送ります。今は全てはないので・・・。」

担当している男性は冷静な対応という感じだ。データというのは残っているのだ。

「最近のものでいいですか?」

「どういうことですか?」

「1年前から受け取ってもらってますから。でも1前のものといわれたら専門学校へ行ってもらったほうがいいと思います。」

「最近のものがいいんですよ。」

「わかりました。リストをつけて送ります。」

彼が手帳を出したのを見て届けてもらうところを言った。捜査一課であるのはわかっているのだろう。律儀な字が漂っていた。彼が書き終わるとまだ聞きたいことがあるかという目をしていた。

「もうないので帰らせていただきます。ご協力ありがとうございます。」

座ったままで古木は一礼した。その対応に驚いたのか、少し戸惑いながら同じく一礼をした。丁寧なまでもの扱いを受けた。警察は人によって態度が違うのだ。全て受け入れられるとは限らないのだと心底思うのだが、抗っても仕方がないのだ。色眼鏡で見た景色は美しく見えても他人から見たら汚いと思われても仕方がないのだろうと。トップをする人間は見えない景色を選んだのだろう。そこから見る景色を色眼鏡にするしかないのか。

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