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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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腐った根

笠原に頼んでいた利用したサイト検索はすぐにできる。鑑識という仕事をしているだけでなく、ネット社会なので情報を扱い部署だけが情報を持ち逃げされることを恐れて扱えるようになっているのだ。やはり、大手のネットを使っていた。大量とは言えないが、多数の場所に調べていた。出ることも視野に含んでいたのだ。

「一括ですから会社に行けばもらえますよ。小説家の人が講師としてくるところだってあるのは事実ですからね。オープンキャンパスに訪れているのを探ってみてください。」

「そうだな。有難うな。笠原。」

「いいえ、俺のすべきことをしたまでです。また、気になることがあったら俺ならいつでも歓迎しますよ。何時何時までもというのは言っても過言じゃありませんから。」

彼の大げさにもとれる言葉は自分の心情をうまく表したものになるのだろう。過去にしがみついているのではないが、過去がむしばむのは知っているのだ。鑑識の部屋から出ると捜査一課の元へと戻った。

「市橋、いるか?」

「はい。」

「これから出るぞ。卓の検索にかけていたところが引っかかってな。いったらわかることがあるんじゃないのかとな。」

「わかりました。」

市橋にとって古木の言葉は命令ではないのだ。優し気な言葉の裏に力強さを真摯に感じる。それに逆らう理由もないのだ。車に乗り込む度になる音は軽快で乗ってくる。

「何か収穫があったんですね。笠原さんの行動にはいつも頭が下がります。」

「俺が気になったことを動いてくれるのはあいつくらいだよ。鑑識じゃあ。捜査一課のくだらないプライドで多くの人数を奪い取っているんだよ。二課の奴らや三課も困っているらしい。あいつらも必要だといっているのに一課長している奴が回さないって言いきってな。喧嘩腰だよ。会う度。」

粗末な対応をしたどこぞの会長みたいだと思った。言い訳じみた言葉と自分のフルネームを言う都合がわからない。組織が腐っているから安易な決定であやふやにして世間が忘れる時を待つ。一番、くだらないプライドを見せびらかしたことで悪知恵も得てないのに偉そうな恰好を一人前のふりをする。懲りないところはガバナンスがなっていないのだといえばいい。やめれば終わりだというのはお粗末で愚かで卑怯の塊だ。逃げて逃げて走るのに疲れて全ての業が現れるのを望む。勘違いの奴らのための組織じゃないと何故誰も知らしてやらないのか。恐れただけでは怯えただけでは前には進めない。穢れた道を塗装するくらいの奴が出ない限り、変わらないし変わりえないだろう。

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