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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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隣人を得る

此処に来るまでいじめの主犯格であることを隠しているのだろう。古木は掲げている文言に疑問を考えているのだろう。揚げ足を取っているのはどちらかの区別すらつかないほど目がくらんでいる政治家や組織のトップもいる。うまいといって飲むのは見下している世間であって、その力の強さに振り切れずに戦わない不戦勝を選ぶ。最もいい決断だと言い切るように。表に出てもろくな会話をせず、同情や権力で押し付けようとする見苦しさには飽き飽きだ。子供もよほどのバカだと思うか、横暴になった暴君や老いた老人の言い草かもしれない。収賄をするのは裏口をするのは金を選ぶのか。吸い取った金を奪うのだろうから。

「卓にはな、きっと受けようとしていた専門学校に顔を出していたかもしれない。パンフレットを探してくれるように笠原に言ってくるよ。」

「わかった。こっちではある程度探る。」

水沢との会話はいい声と共に信頼がいるのだろう。廊下を通ったのだ。鑑識への道はいつもの空気だった。笠原は警視庁に上がって来た時の最初の事件に意見を唱えたのが同じだった。自殺だとか他殺だとかを見かけの判断に任せているのが許せなくて鑑識で動いてくれる人を探したら笠原は動いた。彼の父親は警視庁で刑事を率いるほどの人徳者であったのだ。その人が殉職したのだ。仲間の裏切りであると知っていながら黙認していたのを別の班が見つけた。それに失望した彼は鑑識として生きることを選んだ。証拠を隠蔽するのは可笑しいのだからと思ったのだ。

「笠原、いるか?」

「はい。」

すっと立った姿は恰好がいいのだ。刑事になるより鑑識になって価値が上がるのだ。しがらみがなくなったのだろうかとも思ったのだろうか。

「卓のアパート調べたか?」

「はい。部屋の中で見つかったのは少なかったですよ。隣人から聞いたらもう少し安いアパートに引っ越すといっていたと小寺から聞いたから当たり前かと思ったんですよ。」

「専門学校のパンフレットはあったか?」

「2冊だけです。可笑しいんですよね。悩むなら複数もっと多くてもあってもおかしくないのに・・・。普通、大学だってかなりのパンフレットを取り込むじゃないですか。ゴミになるのをわかっていても。」

捨てたのだろうか。安いアパートに引っ越すのは金の心配だけでまだ決まったわけではないのだろうから。専門学校を探し始めたときの理由があるのだろう。大学を選ぶのだろう。すぐにやりたいことだった。

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