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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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新たな回想

渡辺と小寺がそろって捜査一課を出て行った。古木は捜査会議であがったことのまとめていた。湯浅はもともと悪事を行っていたこと。弁護士という地位に頼ってやみ金とかかわっていたというのだ。それを業者は知っているはずだ。脅しのねたとなるのは確実だろう。そっちの捜査をすることなく別の観点で調べているのは・・・。

「不思議に思っているのか?君は顔に感情が出やすいタイプだ。一概にいいとはいえない。」

「すみません。」

「俺たちが創造するようなことはたいていほかの連中が調べてくれる。別の観点から見ないと進まないことだってあるのだ。」

彼は話しながら市橋のほうではなくドアに目が向けられていた。そこにたっていたのは鑑識の笠原だ。捜査一課に用事があるのだ。紙を持っている姿は頼りなく見えるのは存外悪いとはいえない。

「笠原君、司法解剖の結果が上がってきたのか?」

「正解です。先に古木さんに言うのがいいみたいですね。あわててるのが丸わかりでいやですよ。」

古木は彼に向かって手をひらひらとさせていた。周りはどたばたと大きな音を立てているかのようにしているのにここはどこかとまっているようにしか思えなかった。警察は国会議員が死んだとなって大慌てなのだ。古木はあわてても仕方がないというかのようにいすに座りきっている。隣にあるいすに笠原も座った。

「それでどうだった?」

「子供たちのほうはすすはなく両親にはありですね。」

「子供が先に殺されたってことか。・・・湯浅は逃げられなかったのか?」

笠原はあっているという代わりに大きくうなずいた。資料を見ると夫妻は同じ場所で死んでいた。

「監禁の線はどう見ている?」

「どう見てるって言われてもこれを見て思ったんですよね。ありえますけど・・・。それなら子供に閉じ込めればいい話ですよ。ある種わからないところです。」

防犯カメラの映像は絞るためにほかの捜査員が懸命に歩いている。それにも何かが残っているのかもしれない。

「有難う。これで先に進める。笠原君。よろしくね。」

「はい。わかってますよ。」

資料の先回しによって早く情報を得ることでいろんなことを考えているのだ。隣の班の水沢はどこかに行っているのか固定席は空だった。古木は懸命に資料と格闘している。ざっくり見て見落とすことがないようにするためであろう。蛍光ペンまで持っての体制だ。笠原の背中をたたいた後からこれを続けている。市橋はたいした指示をもらってないため、同じように資料を見始めた。

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