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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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裏の闇

湯浅信三夫妻は今ある権力を利用したものであって浮かれる理由がないはずなのだが、勘違いをよく見せていたのだという。湯浅は国会議員になる前は弁護士をしていくつものの裁判をしてきたのだが、ブラック企業を支える人間であったのだ。その上、荒稼ぎに使っていたのが闇金とのやり取りであった。

「とのことだ。鑑識、指紋とかは出てないのか?」

「靴の痕跡はありますが大量生産の品なので断定をするのは難しいと考えていてください。あの家には防犯カメラがあったのですが火災が起こる前から切れていたので役に立っていないです。」

報告会であって妄想するための時間ではないと市橋は悩む。湯浅はある種悪徳弁護士として活躍をしていたので怨恨が多いのだろう。最近でも週刊誌が取り上げるほどの内容だった。国会議員となっても誰も変わらなかっただろう。その反感を食らっている子供たちは悟りを開いていたのだろうか。いじめられているのは親の所為だと思ったのだ。

「古木、お前はどう考える?」

「他殺は断定できているかが先です。それもあります。怨恨だと決めつけてかかると痛手を受けると思うので片隅で思っているのが妥当だといえます。」

「有難う。古木。これから古木班は俺からの指示を外れてやってきてくれ。他の班は俺たちの指示に従ってくれ。じゃあ解散。」

市橋は伸びをしているところに古木がパイプ椅子を整えていた。古木班は自由が決まっているのだろう。他の班からの反発が起こらなかったことを見ているとしか言えなかった。廊下では指示を受けた刑事が走り回っている。ドタバタとノイズをかき鳴らしている。捜査一課の部屋へとかえってきて一時休憩となった。

「渡辺、どう思った?」

「裁判に上がっていることも多いですから怨恨かと思うんですけど、子供が2人とも高校生であるし、正人は受験生であったことも探る価値がありそうですね。」

「一応金持ちは学歴を大切にしようとするところが強いですから塾に通っていたとも思えないので家庭教師の線で探ってみるのもいいかもですね。親だけじゃなくても子供のことで引き金を引いた可能性はなくはないので。」

小寺は躊躇なしに応えていく感じがいいのだ。それを求めているのが古木であるのだろう。暗黙の了解以上なものを感じている。渡辺はソファに座り込んでいた。

「渡辺、子供たちを追ってくれ。学校は確か違うはずだ。小寺がいるからお前のやりたいように言って聞き出してくれ。」

「了解。任せとて下さい。」


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