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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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会議の合図

小寺は隅から隅まで見渡している。鑑識が仕事ではないかと思えるほどの観察力をもっているのだ。

「此処がある程度済んだら会議するから古木さんに伝えておけよ。お前や新入りが来なくても結構とか言わないだろうが、上がいないのは困るだろうからよ。」

「いいや。行くよ。新入りが会議の様子を知らなくて何が抵抗できる?それを考えたら行くさ。班長も来るように言ってくるしな。」

会議があると聞いた小寺はすぐに立ち上がり市橋を呼んだ。かえってできるだけの報告するつもりだというのだ。他の捜査員が残っているがほとんどが退散している。

「これから戻って班長に伝える。鑑識の情報はある程度もらえるからな。此処じゃ科学を使っていない。指紋だとかさ。」

「そうですね。」

言われたことに従うしか今は能がないのは初めてだからであってそれをつかまないとどうにもならない。理はわからなくて無茶をしては転んでしまう。車に乗り込んで現場から離れた。

「あそこって高級住宅街だったんですね。緊張していて細かいことまで見れてませんでした。」

「誰だって最初はあるさ。それにかかわったからには自分を裏切るような行動は許すとなんでもそうなってしまうから心に刻んでおけ。」

忠告を言う人をうるさいとは思わない。そうしないと新たなことには進めないのだから。警視庁に戻り一課の固定の場所へとかえって来た。

「お帰り、どうだった?」

「被害者は湯浅国会議員を含む家族です。詳しいことはこの後行われる会議で言われると思われます。」

穏やかな瞳を見せながらうなずいていた古木は内容をホワイトボードに簡潔に書き込んでた。部下を信頼しているのだ。

「そろそろ会議始まるぞ。古木。」

水沢は気になるのか時間の忠告をしてくれるありがたい人であったのだ。ただの同期とも思えない。水沢の声を聴いてみな椅子から立ち上がって会議室へと向かった。すでに座っている人達がちらほらいた。適当に座っているように見えるがそうではないのだろう。会議が始める前まで話し込んでた人達も奥のドアが開くと黙り込んだ。

「これから捜査会議を始める。」

歯切れのよい声が響き渡ったのと同時に気が張る緊張感が広がっていった。割り当てられた内容を調べてきた人が次々といっていた。

被害者は湯浅信三。妻の恵理子。息子の修二と正人。周辺地域からの印象は悪いものだった。国会議員をしていることもあってか恵理子がふんぞり返った態度を繰り返していて子供からかなり注意を受けていた。大人げない夫婦と状況を把握している子供と映っていたのだ。


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