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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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懺悔の贖罪

ついた場所は聞いた場所である。古木は常に自分で運転することをしないのは過去のことを追って最悪のことをしかねないためであろうか。古木はドアをそっと閉めた。

「此処からは正念場だと考えろ。ホシほど証拠はと問いかける。何もない完璧であるという思い込みが激しい故だとも考えている。うろたえるな。表情ほど読み取られると動くことを難しくするから。」

「わかりました。っていうか市橋に向けてですよね。交番勤務だって職質とかやるけど、令状をもってだと心意気が変わってしまうから。」

「了解です。俺もキチンとした態度をしないといけないですね。」

市橋は黒のスーツのすそを伸ばした。その場で伸ばしたところで何か変化を起こることはない。遅れるようになっていたのに気づいて少し走った。インターホンを鳴らしていた。

「実継さん、安西さんいる?」

「あぁ、いるよ。雇っていた家政婦紹介所が訴えられてね。俺との契約でやっているんだ。弁護士と仲介でやっているから法には触れていないよ。」

「そう。それはよかった。じゃあ安西さんと会わせてよ。俺も立派な仕事だからね。」

皆川は理解したのか抗う様子もなく入れた。警察官になっていることは知っているのは当たり前だから。リビングに向かうとそこに立っていた。

「安西さん、どうする?主に聞いてもらう?それとも俺の仲間から聞いてもらう?どっちにしろ酷なことが待っているのは事実だ。」

「斎藤さん、此処で聞いてください。私のした行いを聞いてほしいんです。とがめてもらうこともあるかもしれないです。」

皆川はソファに座っていた。どっかりと座っているようではなかったのだ。緊張しているようにも映った。水沢は遠目で見つめている。小寺と渡辺、市橋はソファに座った。隙間があふれている。豪邸とはと思うほどの緊張感ではなかった。

「殺したのは湯浅親子、そして卓ですよね。安西さん?」

「そうです。私は湯浅信三のことが嫌いだった。嘘を表舞台で吐いておきながら近所ではあがめてもらうのを望んでいるようだったんです。奥さんも同等だと思っていた。その時に卓君が名を変えて家庭教師に行っていたことを知ったから達郎さんの作品をまねてやってみたらといったの。湯浅夫妻を卓君は恨んでいたから。」

卓が恨んでいたのは長男の正人の受験に関することだった。正人はあまり勉強するタイプではなかったのだ。第一志望の大学を落ちたときに最初にとがめたのは卓だった。教え方が悪いと言い出したのだ。都合の悪いことを他人の所為にして親に加工して伝えてあったのだ。

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