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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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嘘に隠された真実

小寺の言い方が神妙に思えたのかうなずきながらわかっているとでも訴えかけているようにも映ったのだろうか。テレビで書面だけで抵抗する大人もいる。表に出ることができないのだろう。最終的には認めて自分の地位は守りたいという意地も見え始めている。何処しれぬかじりつきも感じてしまうのだろう。嘘で固めたのは自分であるから共感してほしいのだろうか。わかりえないことを言っているのだろうか。政治家はもっぱら嘘を言っているのだ。自分のためなら反感があろうと構わないのだと。戦争を起こそうと構わないのだと。天災には勝てぬと知っていながら戦うことを選んでいるのだろうから。探っても下世話な顔ばかりがのぞき込んでいるのだろう。

「会いに行きますか?」

「行くよ。どうせ待っているだろうから。裁かれるのなら俺のほうがいいだろうな。だから、あまりうるさく言わないのだろうから。」

市橋の言葉に対してかえって来た言葉は重いものを抱え込んでいた。ホシがわかっていたからであろうから。伝えきれないことばかりが膨らんで自暴自棄になったりするのだろうか。笑顔というのは幸せという目に見えない影に隠れながら潜んでいながらも存在するのだろう。当たり前だと思っていたことが何時か何かによって壊されるかもしれないのだ。忘れたいと嘆きも忘れられなかったことを知るのだろう。儚さにおぼれていしまうのは違うと思うのかもしれない。

「車はいつでも準備できますよ。」

「あとは令状だけだ。まだ、渡辺がかえってきてないだろう。もってないままで行くのは失礼だからな。いくら人殺しだってな。大切にしないとならないんだよ。」

「そうだな。お前も落ち着いたらでもいいんだぜ。ホシは逃げてもな、罪は消えないんだ。誰がかばってもな。肩にのしかかったものの重さに苦労しているのは他人が思ったほど人は単純でもないんだ。」

人は何かしらで苦しんでいる。だが、見向き去れないことだってあるのだ。近道を探して落胆していたりするのだろう。生まれ変わることなんざできないのだ。受け入れてもらうのが全てであるのかもしれない。光に目がくらみ影を見なくなる。それでも影で輝いていることもある。嘘を言っても認めることもあるように。人を救う嘘もあれば自分のために尽くす嘘のほうが多いのだろうか。平謝りを繰り返す幹部はのちに痛い目に遭ってやっと知るのだろうか。認知するのが遅いのはしょうがないのだろうかと思うのだ。

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