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陽炎と泡沫  作者: 実嵐
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冷ややかなお湯

捜査一課の部屋では心配そうに待っている水沢の姿が見え隠れしていた。テレビでは全部嘘だと他人をののしった後にきれいごとと言い訳を並べた文章を出すという情けない夫婦が現れたのだ。態度の違いで信頼という簡単であり得ないことを成し遂げたと思い込んでいるのではないのか。過去の栄光や功績に頼って脅していたのだろう。嘘だといってしまえば全て丸く収まると隅に感じていたのだろうから。

「胡散臭い奴が多いな。とりあえず位をもらって調子に乗っていたのではついていかないって。神になった気になって自分のことに従わないとなんていうのはあるのはいけないのだろう。」

コーヒーを飲みながらつぶやいた。嘘偽りなくといいながら何時録音したのだろうか。それとも加工するためにとっておいたのかもしれない。自分の罪を帳消しにするためなら労力として価値を見出さないのかもしれない。相手の所為にして自分の適切さを言いたいのか、この頃の感じを読み取って録音しておいたのなら自爆の近い価値をもっているのだ。墓穴を掘っていることもきっとわかり切っていないのだろう。全てを牛耳っているべきではないこともわからないのだろう。

「スポーツ選手も大変ですよね。上の人が自分の地位と権力におぼれてしまってとしか思えないですよ。自分のことを考えた瞬間、選手なんて邪魔だと思っていたりするんでしょうね。価値を上げる道具になっているのかもしれないですよ。」

「残念だがね。それが真実かもしれないよ。幹部ほどになると選手なんて思わないのだろう。選手ファーストはあくまでも謳い文句で通じれば終わり。結局落胆するしかないんだよ。」

何処の人でももっているだろう。謳い文句としか思わないのだろう。誠実のふりと謙虚という言葉を言っただけで効力もない政治家もうじゃうじゃとあふれかえっている。嘘を交じっているために行動を見るのだが、言葉と行動で矛盾を簡単に立ててしまうのだ。驚く速さで嘘をついた奴もいたほどだ。表に出ればある程度の仮面をかぶって嘘を言う。裏ではきっと自分の価値で怯え切っているのだろう。説明するといいながら一度も説明をしなかったのだ。共感ごときも無駄なのかといってしまえるのだ。

「大切なのは説明なんだよ。わかるか?嘘や言い訳を重ねたところでな、嘘だと見抜く人だっているんだ。醜い奴にあふれているのだろうから。困ったものだよ。どの口が子供に嘘をつくなって言えるんだよ。」

水沢の冷ややかな笑みを初めて見た。

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