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掌編小説集9 (401話~450話)

野草

作者: 蹴沢缶九郎

男は足元に生える七色に光輝く不思議な野草を手に取り、何気なく見つめた。野草の放つ光は美しく、初めて見る人の心をきっと魅了するだろう。遠くには、同じ野草が一面に生え、やはり美しく輝き広がっている。

数週間前、人類で初めて、たまたまこの野草を発見した男は、野草の研究に没頭した。野草に熱や放射線を加え反応を調べたり、すりつぶした野草に様々な薬品を混ぜた。

その結果、野草には風邪や肌荒れ、果ては癌といった命に関わる病気にまで効果がある事がわかった。

それだけでなく、味も美味で、一度口にすれば、その味を忘れる事はなかった。


万能な野草、これを商品化すれば、億万長者になるのは間違いないが、昨日に降り注いだ小型隕石の衝突で、推進エンジンと無線機が壊れた自身のロケットを見て、それが叶わぬ夢である事を、地球から遥か何光年も離れた名も知らぬ無人の星で男は(さと)った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 万能な野草の力でロケットも直りませんかね…?w 医者もいない環境でもその野草があればとりあえず元気に過ごせますね!
2017/12/05 18:40 退会済み
管理
[一言] 還る事が出来ないと分かった時、現実逃避もあって野草の研究に熱中したのかな。このさいですから、研究結果を石に刻んで、レジェンドを目指すのがいいかも。
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