序章 復讐
初投稿です。誤字脱字があれば感想にて御指摘下さい。
私はこの日、自殺を決行した。理由は簡単、人に絶望したからだ。何故、人に絶望したかというと私は人の欲望と向き合いすぎたせいだ。
私の両親は人が良い人であった、いや良すぎる人だった。そのため他人の悪意に気づかずお金をむしり取られ、挙句の果てに連帯保証人になり多額の借金を抱え、返済する前に過労により死亡した。
だから私は両親のような人を救うため、また給料が良いため弁護士になった。だが、弁護士を続けていると弁護士が正義の味方ではないことに気づかされた。ドラマのように無実の人を助けることができないことが実際には多く、逆に罪を犯した人がお金の力で無実になることのほうが多かった。でも私は、両親の残した借金を返済するためにやめるわけにはいかなかった。
しかし、私が借金を返済した時にはもう私の心は擦り減ってしまっていた。だから私は自殺することにした。そこで自殺をする前に両親に多額の借金を背負わした人に復讐をすることにした。復讐を果たした後、私は警察署に出頭し、そして留置所で奥歯に仕込んだ青酸カリにより自殺した。
自殺をした後、気がつくと真っ黒な空間にいた。目の前には中世にある高級そうな机があり、そこで錆びた機械でできた千手観音のようなもの――千手観音と呼ぶことにする――が事務仕事をしていた。千手観音は私に気づいたのか、他の腕と比較して仕事量の少ない腕で、私から見て左を指さした。見ると、そこには断頭台があり、断頭台の刃には血で地獄行きと書いてあった。振り返ると千手観音と机は無く、ここには私と断頭台しかなくなった。私は覚悟を決めて断頭台に頭を置くと、すぐに刃が落ちてきて私の意識は途絶えた。
今日中に後四話ほど投稿する予定です。それ以降は不定期更新になると思います。