ボンバ邪運化1
ーーー亜空界、岩肥やしの台地
食肉植物、マクラウリによって、のっぺらな姿になったクマさんがいた。
「この世界はワタイにいろんな事を教えてくれとる」
マクラウリの夢で知った真実。
「ワタイの人生が邪運化のせいでガタガタになってしまったとはなあ」
邪運化への怒りをフツフツとたぎらせながらクマさんは亜空の旅を続ける。
「邪運化め!今度出てきたらただじゃおかんぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
“うあんおんおんおんおんおん……!”
クマさんの声は亜空の空に響いていった。
「ドンタコがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
“うあんおんおんおんおんおん……!”
体の弱い時代が長く続いたクマさんだが、今は自由に動く体があった。
自由になった反動でクマさんの精神は高ぶっていた。
「邪運化ドンタコ、邪運化ドンタコ、邪運化ドンタコ」
邪運化を恨みながらの目的のない旅。
脳裏に残るは自分の人生を変えてしまったあの時の憎い邪運化。
クマさんはその“念”の強さゆえに邪運化を呼び寄せてしまう。
いつしかクマさんは岩の台地を降りて、長い土手に来てしまっていた。
ここは《ボンバカブ》という爆弾のカブが自生している。
「あいつのせいどい 今度会ったらただでは済まさんどい!
今もはっきり耳に残っとる。
ボンバっちゅうて……
「ボンバボンバ」
「そう、ボンバ、ボンバ……」
「うん?」
「ボンバボンバ……」
クマさんの耳に聞き覚えのある声がする。
声の方向を見ると、偶然と言うべきか、あのトンネル事故のボンバ邪運化だった。




