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片恋円舞曲 第一巻 少女、飛翔  作者: 桐夜 白
少女の行(ゆ)く道
93/127

少女の行(ゆ)く道 3

風がラシュフェーニカのドレスや髪を靡くように強く煽る。


誰もがハラハラとしている中、翼を持つ者がラシュフェーニカの(もと)へ飛び立とうとした時、

……ソノ場に居る全ての者が凍りついた。



辺りは騒然としていた。

だが、ソノ瞬間、一瞬にして全ての音が消えた──。




「──ラシュフェーニカ…」




一瞬で無音になった空間に、ユエイの信じられないといった想いの声が、静かに伝った。

ソノ場に居た全ての人々の目が、ラシュフェニカに──否、ラシュフェーニカの背に広がる“大きな翼”に視線を奪われた。




「なんでっ!

何やってるンだいアンタ!!」




ユエイが《凛浄》の人々を掻き分けて、渡り廊下の欄干へと走り寄る。

ユエイの悲痛な声がまるで叫び声のように響いた。


ソノ瞬間、悲鳴にも似た声が辺りに響き、一瞬でソノ場はパニックに包まれた。




「うわあああああっ!

(ラトス)だ…ッ!

紅水晶ノ竜(ハメツノウタのラトス)だァッ!!」


「いやあああああ」


「そんなッ、どうして神聖な場所(こんなところ)に“あんなモノ”が──!」


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