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少女の行(ゆ)く道 3
風がラシュフェーニカのドレスや髪を靡くように強く煽る。
誰もがハラハラとしている中、翼を持つ者がラシュフェーニカの許へ飛び立とうとした時、
……ソノ場に居る全ての者が凍りついた。
辺りは騒然としていた。
だが、ソノ瞬間、一瞬にして全ての音が消えた──。
「──ラシュフェーニカ…」
一瞬で無音になった空間に、ユエイの信じられないといった想いの声が、静かに伝った。
ソノ場に居た全ての人々の目が、ラシュフェニカに──否、ラシュフェーニカの背に広がる“大きな翼”に視線を奪われた。
「なんでっ!
何やってるンだいアンタ!!」
ユエイが《凛浄》の人々を掻き分けて、渡り廊下の欄干へと走り寄る。
ユエイの悲痛な声がまるで叫び声のように響いた。
ソノ瞬間、悲鳴にも似た声が辺りに響き、一瞬でソノ場はパニックに包まれた。
「うわあああああっ!
竜だ…ッ!
紅水晶ノ竜だァッ!!」
「いやあああああ」
「そんなッ、どうして神聖な場所に“あんなモノ”が──!」




