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明かされる真実 ~ 少女の想い ~ 10
ソレは美しい娘であった。
背に在る翼は紅に輝き光を反射して周りの景色を映し込む。
長く艶やかな髪は華のような桃と橙色に染まり、菫色の瞳は宝石のように煌く。
愛らしい顔立ちと相手を見つめた大きな目、口元は笑んで柔らかさと愛らしさを感じさせる。
ソレは、とても美しい娘だった。
ソノ少女は、十六ばかりなる歳になれど、幼さと愛らしさを誇った可憐な娘であった。
「風蘭、
貴女は賢く察しが良いから、今私がコノ神聖なる地──《凛浄》に居るということと、コノ翼を見て、
今つい先程、全て見抜いてしまったことでしょう…。
でもね、もう良いのです」
ラシュフェーニカの言葉に、風蘭が悲し気な表情になる。
ラシュフェーニカが笑みを深くした。
「大丈夫、諦めたわけではないの。
皆に、私の口から話そうと想います。
私自身について、私がこれから成そうとしていることについて──」
ラシュフェーニカが自身の翼を広げる。
ソレはあまりにも強く、揺ぎ無い、美しい意志だった。




