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明かされる真実 ~ 少女の想い ~ 9
ソノ翼は、風蘭の翼と明らかに違うと…、誰の目から見ても一目瞭然に映るモノだった。
紅の大きな翼はまるで硝子水晶のように景色を映し、光を反射する。
美しくも、恐ろしいソレは、竜の翼だった。
「どうして…っ、竜は破滅と救済の象徴…。
でも“紅水晶の竜”は…っ、コノ世界を一度……っ、私達の惑星を一度…っ!
あまねく生命を“火”で──」
風蘭がぎゅっ、とラシュフェーニカの腕を爪を立てないように、ギリッと握る。
ソレは信愛し敬愛していた相手への、困惑と恐怖、絶望と深い悲しみ、受け止めきれない現実を目の前にした時のソレだった。
「……《凛浄》に居るということは…っ」
そこまで言いかけて、風蘭は言の葉を止める。
ラシュフェーニカが、目を閉じて、自身の口元に人差し指をあてる。
そして少しして、ラシュフェーニカはゆっくり目を開いた。




