70/127
光と闇 6
「ジルベルト、
カグヤ様が“飲まれた”時のこと、…覚えてるかい?」
「………アノ、“負ノ魔神──フレギアント”の騒ぎのことだな」
負ノ魔神──フレギアントの騒ぎ。
ソレは一年前、カグヤが十五歳の時のこと。
コノ天に浮かぶ唯一の大地──《問いかけの大地》に突如、黒く大きな魔神が現れ、民々(ひとびと)を襲った。
ソレを天空ノ巫女──カグヤや《四自然神》、《ヤハトメイ》や《コトハノヤ》達が祓うも、…カグヤがソノ魔神の中に飲み込まれてしまった事件のことだ。
負ノ魔神──フレギアントとは、そもそも神話の中で“大地ノ巫女──レエレによって封印された悪しき魔神”として描かれている存在で、強い“負ノ感情”が集まって実態を持ち、意志を持って動き回るモノとされる。
伝説や神話に登場する存在で、誰も実在するなんて想っていなかった。
しかしソレが実際に突然目の前に現れた。
黒い雲と、黒い軍勢を引き連れて…。




