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光と闇 2
粛々と、清々と。
冬の朝の空気はひんやりと辺りを包み込み、《火ノ宮》の祈りの間はソノ温度と松明からの温度により、辺りに霧を生んでいた。
ソコへ朝一番の光が降り注ぎ、《凛浄》に《火ノ宮》の巫女──ラシュフェーニカの歌声が伝うように響き広がる。
ソレは、透き通った高く力強い歌声であった。
始めこそ悲し気であった寂しそうな歌声はただただ流れるように辺りに木霊していたが、いつしかソレは強い意志を抱いた歌声となる。
辺りにパチパチと松明の音が鳴る。
《火ノ宮》の巫女──ラシュフェーニカ・ヴェアトリーチェ・ムーランカが、火の色の赤いドレスを纏って、両手を広げて天を仰いだ。




