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決意の想火 4
──当たり前のよう…?
ソコでラシュフェーニカは、はたりと思った。
「…」
──明様にとって、私達の当たり前に感じることが、当たり前ではなかったとしたら…?
思えば明は、どこから来たのかも分からない子供であった。
何を問うても、心を閉ざして何も語らなかった子。
初めて出会った時も、首に包帯を巻いていて他にも傷だらけで、どこから来たのか、どう過ごしていたのかすらも、何も分からなかった子供…。
ただ、目覚めた時、いつもアノ人は何かに怯えた目をしていた。
時折目の前に居る人が誰かも分からずに、怯えた声を挙げることも多かった。
──どうして、何も話してくださらなかったのですか…?
どうして私は、何も気づいてあげられなかったの…?
ラシュフェーニカにただただ、悲しさが雪のようにしんしんと降り積もり、心を冷やす。
ラシュフェーニカが泣きそうな顔になり、天を見上げる。




