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決意の想火 3
明は何故か、あまりにも質素なモノをいつも好んだ。
食事もあまりにも人より摂らず、一時期は皆が心配し、やっと人並みまで食べるようになってくれた程で。
寒いのに暖も取らず、薄着で過ごすこともあった。
勿論ソノ時も、多くの者が心配し、部屋を暖めようとしたり暖かいモノを用意したが、そのどれも明は強く拒み、手をつけなかった。
なんとか、寝台の布団を分厚くし、ソレを羽織るように肩にかけてくれたくらいで。
暖かい飲み物もスープも、明はただただ悲しそうな顔で嫌がっていた。
何故だろうか。
そう、いつも考えていた。
コノ部屋に居る時はいつも、
寝台の厚い布団を頭からすっぽり被って、何かから姿を隠すように過ごしていた明。
まるで何かから姿を隠すように、
まるで何かから怯えるように拒み続け、
民が当たり前のように過ごすことですら、明は酷く、酷く悲しそうに拒んだ。
何もかも、当たり前のように過ごすことですら…。




