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やっと知ることができたモノ 3
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カグヤの広い広い壮麗で美しい神殿の、奥の奥、神殿の中心地へと渡る長い廊下を進み、ラシュフェーニカはふと思った。
まだ夜遅くで、薄暗いコノ廊下を照らすのは、人や物の動きを感知して自動で照らし出す人工松明のマザド・グラムヴィルだ。
意思を持たない機械──マザド・グラムヴィルが、道を間違えぬよう、迷わぬよう、明るく道を照らしてくれている。
ソノ静かで暖かい道を歩いていて、ラシュフェーニカはふと、思った。
ココはなんて、寒く寂しい空間なのだろう、…と。
なんて、寒く、寂しい空間なのだろう…、と……。
壮麗で美しい。
床も壁も天井も、ソノ全てが。
けれども、どうしてか自分には、幾ら手を込んで作り上げていても、とても寂しく、悲しくなった。
こんな道を、アノ人は、ずっと一人で歩いていたのだろうか?
護衛が居るとはいえ、ソレは扉の前までで…、アノ人はこんな寂しい空間をずっと一人で、部屋で過ごしていたのだろうか?
ソレは“カグヤの神殿”という神秘的な雰囲気に隠された、ソコで暮らす者でしか分からない感覚であった。
外から見る自分達には、今まで分からない感覚であった。




